スジ肉の美味さを知らないあなたへ
FirstUPDATE2022.11.3
@Scribble #Scribble2022 #食べ物 単ページ スジ肉 食文化 食感

例えば赤身だったり脂部位だったりしたら、まァたいていの人は「肉の質の良し悪し」にこだわるっつーか値段を含めて気にすると思うのですが、ではスジ肉は、となるとどうですか?という話でして。

もう当たり前すぎるくらい当たり前の話ですが、スジ肉にも良し悪しはあります。んで、これまた当然だけど質の良いものは値段も張ります。
ま、アタシは肉の専門家でもなんでもないので僭越なのですが、それこそロースとかカルビなんかよりも実はスジ肉のがより「質=値段」な気がする。それくらい、高いスジ肉と安いスジ肉ではいろいろとね、雲泥の差なわけで。

それこそね、もしかしたらスジ肉にたいして「硬いだけ」とか「ゴムみたいで噛み千切れない」なんて思ってる人も多いんじゃないか。
ま、はっきり言いますが、それは「安いスジ肉」です。しかも安いヤツは食感だけではなく旨みも薄い。
では良いスジ肉はどうかというと「旨みたっぷりで口の中でとろける」ような感じに仕上げることが出来るわけで。
もちろん調理にもよります。
スジはアクが出やすいし、手順を踏んで煮込まないと硬くなりやすい。だからそういうのはちゃんとしなきゃいけないんだけど、良いスジ肉をキチンと調理してやれば下手したらロースやヒレよりも上なんじゃないかと思えるほどなのです。

ただね、良いスジ肉ってわりとちゃんとした肉屋でしか手に入らないんですよ。
スーパーには置いてないし、高級な和牛を取り扱っているようなデパ地下なんかだと今度はスジ肉を置いてなかったりする。
となるともう、ちゃんとした肉屋で買うしかないんです。
ま、何をもって「ちゃんとした」かって言われても困るんだけど、仮にショウウインドウに陳列してなくても「ちゃんとした」肉屋であれば、言えば裏から出してきてくれる場合がありますから。

とくにね、どちらかというと豚肉食文化である関東では陳列されてることが少ないように思う。逆に牛肉食文化の関西は比較的手に入れやすいイメージがあります。
だからか関西において、おでん(昔は関西では<おでん>ではなく<関東炊き(かんとだき)>と呼ぶのが普通だった)にはほぼ確実に串にスジ肉を刺したのが煮込んであります。
アタシの東京好きはしつこく書いてるけど、唯一残念なのがおでんに牛スジ串がないことで、いやいや、ちくわぶとかいらないから牛スジ串をくれよ、といつも思う。
だからといって「その辺で売ってるテキトーな安いスジ肉」で作ると硬いだけで食えたもんじゃないんだけどね。

いやマジで一回食って欲しいわ。ってオススメの店があるわけじゃないけどさ。







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