口を開け!
FirstUPDATE2022.10.28
@Scribble #Scribble2022 #メンタル 単ページ 吃音 エスパー 発声練習 あめんぼあかいな

先日、かなり酷い吃音症だったって人と飲みに行ったんだけど、もうほとんど克服したみたいで「言われなきゃ気づかない」レベルだったのですが、そういやアタシもかつて<症>までいくかはわからんけど吃音気味だったなと。

というかね、そもそもアタシは、こと<喋る>ってことが本当に苦手だったんです。
今だって滑舌が良い方ではないけど、その昔は滑舌以前の話で、とにかく「ゴニョゴニョと何をい言ってるかさっぱりわからない」と言われまくってた。それに加えて吃音気味だったわけで、まァ、会話を成立させる能力すらなかった、というか。
さすがにこれではマズい、と気づいたのが大学に入ってからで、そこからリハビリ、とでも言うのかね、をはじめたと。

アタシのリハビリ方法はいたってシンプルなものです。
とにかく鏡に向かって、ひたすら「あ・え・い・う・え・お・あ・お」とか「あめんぼ赤いなあいうえお」なんかの発声練習を繰り返すだけ、という。
重要なのは「鏡に向かって」ってところです。というか鏡に向かってやらないと何の意味もない。
要するにね、はっきり発音出来てるか、それは自分ではなかなかわからないんですよ。自分で発した声なんだからどうしても不必要にちゃんと聞こえてしまうわけで、しかし鏡に向かうことで<視覚>に変わる。視覚的にちゃんと「あ」の時は口を大きく開いているか、「う」の時はちゃんと口をすぼめているかが目で見てわかるってのが重要なんです。

とにかく大げさに口を動かす。実際に人と対面で喋る時はここまでしなくてもいいんだけど、練習なんだからなるべく「やりすぎ」レベルでやらないと意味がないんですよ。
これを繰り返すことで、対面でも「練習ほどではないけどキチンと口を動かして」喋れるようになった。んで、少なくとも「ゴニョゴニョと何を言ってるのかわからない」ってのは消えたし、吃音もかなり改善されました。
滑舌もね、一時期には良くはなったんだけど、これは歯を悪くしてから再び悪くなってしまった。嗚呼。

アタシもいろいろと陰キャってよりは「人と話すことが苦手、大きな声が出せない」なんて人と接してきたけど、みんな、かつてのアタシ同様、とにかく口を開いてないんですよ。もう、薄~く開く程度っつーか。
これでは相手に言葉が伝わらない。いやこっちがイライラするってことはないんですよ。かつての自分自身がそうだったから。でもこれはその人が損するだけなんですよね。

口を開かず喋るデメリットはいろいろある。
まず表情が薄くなってしまう。いやもっと言えば表情のない人になる。
これ、絶対わかっておかなきゃいけないことだけど、無表情=何を考えるのかわからない=ミステリアス、ってことにはならないんですよ。はっきり言えば、無表情=不機嫌、というふうにしかとられない。
言葉による伝達が下手くそで、しかも常に不機嫌そうな人間なんて避けられて当たり前です。つまり「口を開けない」ってのは損しかない。

陰キャでも何でもいいよ。性格なんてそう簡単には変えられないんだし。でもさ、せめて口を開けて喋ろうよ。
アタシがそのことに気づいたのは大学生の頃ですが、正直、これでも遅い。早い人はもっと若い頃に気づいて改善してる。
ま、それでも、何歳になろうが「気づき」があるだけマシで、一番マズいのが「それの何が悪い。口を開けて喋る方が莫迦」みたいに自分を正当化し出すことです。
もうこうなったらお終いで、自分はちゃんと伝達しようとしない、でも自分のことをわかれ、なんて、とんでもない発想ってことになるんだから。

つかさ、みんなエスパーだよ!じゃないんだよ。いやもしテメエ以外全員エスパーなら、口を開かずに相手に自分の考えを伝達出来ない=エスパーじゃないテメエは見下されて当然なんじゃね?







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