焼きそば、焼いてっか?
FirstUPDATE2022.9.23
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料理ってね、結局「やるかやらないか」であって「出来るか出来ないか」ではないと思うんですよ。てな話を。

昔「普段は作らないけど、料理なんかやったら出来る!」と強弁する女性がいましたが、そりゃあ、出来るか出来ないかで言えば誰だって出来る。別に「このメニューを作れ」って指定してるわけじゃないんだから、簡単なものなら誰にだって出来て当たり前です。
しかしね、マジで料理というのは「毎日作ることが当たり前になってるかどうか」がすべてでして、それこそ「日曜日はお父さんが料理を作る」なんて家庭がありましたが、それはアタシからすればやってないのも一緒です。

毎日、とにかく違うメニューを作る。これがどれだけ大変か。にもかかわらず「それが当たり前」だと思っている。これが重要なんです。
別に栄養学的観点から、なんて考えなくてもいいけど、なるべくならメインとなるオカズの材料も変えてね、肉、肉、と続いたら魚にしたり、たまには麺にしたり、和食、洋食、中華ってのも続かないようにしてみたり、なんてふうに変化をどれだけつけられるか。もちろん季節によって美味い食材、安い食材を上手く活用してね。
「それが当たり前」と思った時点で、その人は「料理をする人」です。

料理をするにあたって一番大切なのは「難しく考えない」ことです。というかさ、名前を見ればそのメニューの調理法って結構わかるのですよ。
何しろニホンゴはややこしいので似た意味の言葉なんかいくらでもあるわけだけど、例えば「炒める」と「焼く」の違いとかね。
エントリタイトルに焼きそばってワードを使ったけど、焼きそばはあくまで焼きそばであって「炒めそば」ではないんです。
炒めるってのはなるべく強火で、フライパンをカシャカシャ振りながら食材を混ぜながら火を通していくことで、焼くってのはあまりフライパンを揺すらずに食材もあんまり混ぜずに火を通す。火の強さも食材によって強火にしたり弱火にしたりする。
これだけわかっておけば焼きそばの調理法はわかります。つまり焼きそばってのはステーキを焼くのに近い。汁気が飛ぶまでとにかく焼く。

ただし焼きそばがややこしいのは、実は「炒め+焼き+煮ながらほぐす」なところです。
具材として野菜や肉を入れたりしますが、野菜炒めとは言うけど野菜焼きとは言わないでしょ。つまり野菜や肉は炒めてやらなきゃいけない。
となるとです。野菜や肉と中華そばは別々に火を通さなきゃいけないわけですよ。
どちらが先でも構わないけど、とにかく野菜と肉は炒めて、中華そばは麺を煮ながらほぐした後で焼く。んで最後に合体させてやる。
何が言いたいのかというと、要するに焼きそばって実はかなり面倒なメニューだと。

その点炒飯が簡単なのは、すべて「炒める」ことで完結するからです。
全部煮たら終わり、全部炒めたら終わりってのが一番ラクなメニューで、逆に自分では作りたくない、もし食いたくなったら店に行くよ、と思うのが酢豚です。
だってあれ「揚げる」「炒める」「煮る」って3工程が必要だもん。下準備も面倒だし、こんな面倒なことするくらいならサクッと王将にでも行きますよ。

だからね、毎日料理をするってのは、こうした工程の多い少ないも考えなきゃいけないのです。
毎日毎日凝った、工程の多いメニューを作ろうと思っても絶対続かない。人間だから疲れてる時も面倒な時もあるもん。
そういう時のために「インスタントや冷凍食品でも、けして見た目貧相でもないけど、実は工程が少ないラクなメニュー」もストックしておく必要があるんです。

こうした工程の多い少ないは料理をやらない側の人間もわかっておいた方がいい。わかってたら「今日の昼飯は簡単に焼きそばとかでいいよ」なんて言わなくなると思うからね。







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