逃げ道も残した方がいいのか
FirstUPDATE2022.9.22
@Scribble #Scribble2022 #世間の話題 単ページ りゅうちぇる 退路を断つ 性自認 藤浪晋太郎 最高の勇気 最悪の決断

何だか、りゅうちぇるが世間を騒がしていたみたいですが、というかSNS界隈でずいぶん叩かれたようで。

さて、一般には「退路を断つ」というのはカッコ良いこと、と言われていると思います。
まァね、あくまで「カッコ良い」であって「正しい」とは言われてないわけで、退路を断つってのが本当にするべきことなのかどうかは疑わしい。
ちょっとだけ野球の話になりますが、ここ数年低迷していた藤浪晋太郎なんか、退くべきところを間違えたからこそこんな長期間の低迷になってしまったと思うんですよ。
野球選手なんだから常に進化しようというのは間違っていない。しかしもしこのチャレンジが失敗だったとしても、最悪現時点までは戻すことが出来る、というのがあってのチャレンジだと思うわけで。

退路を断つ=帰る場所をなくす、というのは、もし自分ひとりだけの話ならカッコ良いで済まして良いのかもしれません。
しかし藤浪のように組織に所属している限り、というか<契約>というものがある限り、その決断はやはり、ちょっとだけ「自分勝手」だったと言えると思う。ま、藤浪の場合は怪我の影響もあるので気の毒なところはあるんだけど。
それでもね、退路を断つってやっていいタイミングとかやっていい立場ってのが絶対あって、つまりそう簡単に退路を断つなんてやっちゃいけないんじゃないかと。

前に「結婚は双方が契約し合うサブスクみたいなもの」と書いたことがありますが、そう考えると、りゅうちぇるも似たようなことが言えるんじゃないか。
りゅうちぇるは週刊誌で「父親論」のようなものを熱く語っていて、結局それが今回SNS界隈で叩かれる理由になったみたいだけど、そもそもの話、りゅうちぇるの子供はまだまだ小さい。つまりりゅうちぇるも「新米パパ」と言えるわけで、新米のうちから父親論をぶっていた、ということになる。

正直、現在進行形のね、父親論で言えばまだまだ子育て真っ最中の人間が「父親論」を展開したら、仮に今回のような結果にならなかったとしても「お前まだ結果も出てないじゃないか」と言われるのは当然です。ま、まだ受験生の身でありながら東大合格虎の巻を書くようなものか。
ちゃんと成人するまで育てて真っ当な生き方をした(←ここ、ツッコまなくていいです。一般論なんで)って認められるくらいまで育て上げたら、まァ父親論も受け入れられるかもしれないけど、だからと言って全部を待ってたら「子供より長生きした父親でなければ父親論を語ってはいけない」ってなるから難しいんだけど。

じゃあ何で、りゅうちぇるはあんなことを語ったのか。ってすでに結論を書いてるようなもんだけど、結局は「退路を断」ちたかったんだと思う。
自分の性自認に左右されずに、とにかく退路を断って、父親たらんとしたのでしょう。
これ、とりよう次第で「最高の勇気」とも「最悪の決断」ともとれる。勇気をもって決断したことは間違いないけど、どう考えても無理のある決断であり、あまりにも視野が短期的すぎたのは間違いない。というか自分を過信しすぎた、というか。

ずっと言ってることだけど、人間なんてそう簡単には変われない。とくに性自認なんて本質に近いところなんか一生かかってもまず変えることは出来ない。
ギリギリ変えられるとするなら、とっさの考えを「ダメだ!」と自制心で抑え込むことくらいで、でも性自認レベルで「とっさ」が頻繁に訪れることを捻じ曲げようとしたら、そりゃ精神的に参りますよ。
だから、まァ、この件について何か言うことがあるとするなら、見通しが甘すぎたし、結局はパートナーに迷惑をかけてるのは事実なんだろうけど、それでも、叩く叩かないという話じゃないな、と。
つまり、りゅうちぇるが悪いか悪くないかで言えば、まァ悪いんだろうけど、この程度の失敗なんて誰でもするよな、と。

つかこの程度の失敗もしたことない人なんているのかね。若い頃に一度はやらかすレベルだけど。
いや、たぶんこれ、叩いてる本人は失敗って気づいてないパターンだな。どう考えてもそっちのがタチが悪いわ。







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