さすがに端島はコスられすぎたけど
FirstUPDATE2022.7.2
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端島、と言ってどれくらいの人がピンとくるかわからないけど、とにかくこれが正式名称なのですが、ま、「軍艦島」と言ったら、ああ、あそこか、となるはずです。

1981年制作らしいからアタシが中学生の頃か、こんなCMがありました。
このCMのインパクトは絶大で、おそらくリアルタイムで軍艦島を知らない、というか「石炭が貴重な資源であり、身近に使われている時代を知らない」世代はこのCMで軍艦島の存在を知ったはずです。
ちなみに、どこかのブログにも書かれていましたが、このCMのナレーションは嘘っぱちです。別に石炭が枯渇したからこんなことになったのではない。石炭の資源価値が落ちたからだけの話です。

昨今、というかもうここ十数年レベルでですが、廃墟マニアなんてのは当たり前のようにいる時代です。
はっきり言って廃墟マニアからすれば「街全体が廃墟」という軍艦島はまさに理想の廃墟で、さらに言えば「ほぼ1960年代のまま凍結された街」ってのはアタシのような昭和マニアからしても本当にたまらないものがあります。
だからね、えと、1990年代くらいまでは「いつの日か軍艦島に行ってみたい」と思っていた。
しかし軍艦島は立ち入り禁止区域であり(現在はツアーという形でのみ解禁されている)、それは本当に夢のまた夢だったわけで。

ただ、そんなこんなで時代が流れ、先程書いたようにツアーが開催されたり、映画のロケに使われたり、何ならGoogleマップのストリートビューで島内訪問を擬似体験出来るようにさえ、なっている。
つまり、ここ20年ほどで軍艦島の神秘性のようなものは著しく減衰した。というかもう「軍艦島のアソコにあるアレはさ」なんて会話さえ、ある程度のマニア同士であれば成立するようになった。
つかこのエントリでさえ「軍艦島、とは」みたいな説明から書き始めてはいないわけで、いや「軍艦島って当たり前すぎるなぁ」と思ったからこそあえて「端島」なんて正式名称をエントリタイトルに入れたんですからね。

要するに軍艦島という存在はコスられすぎた。これだけコスられるともうアタシなぞが何か書くことなどひとっつもない。
それでもね、もしかしたら、日本のどこかに、1960年代のまま完全に凍結された街が、軍艦島以外に存在するのではないか、と夢想することがあります。
言うまでもないけど、これが「1930年代完全凍結」ならもっといいし、さらに「今も普通に、その当時の生活様式のまま人が暮らしてる」ってなったら最高です。

ないかなぁ。ないだろうけど、せめて夢想くらいは自由にやりたい。出来ればせめて「シティーズスカイライン」ででも再現出来たらと思うけど、難しそうだなぁ。