いやアタシ自身のことではなくて、酒飲みの大いなる勘違いについて書きたいなと。
もう最近はそういうことはなくなりましたが、昔は「アルコールが弱い人間に無理矢理飲ませる」なんてことが常態化していました。
正直、これ、意味がわからなかった。いやアルハラ(アルコールハラスメント)とかそういうことじゃなくて「酒が好きでない人間に飲ませるなんてもったいないじゃないか。自分が本当に酒が好きなら自分で飲もうとするもんじゃないの?」と。
しかし、もう誰が言ってたかも忘れたけど、こんな理屈を聞いたことがある。
「飲ませたらホンネを喋り出すだろ」
と。
この変種として
「飲まないで、どうやってオンナをクドけるんだ?」
なんてことを言うヤツもいた。
どちらも言ってることは一緒です。
アルコールが回ることでその人間の本性が出る、普段とは違う言動が出るようになる、という。
マジで、どうしたらこんな勘違いが出来るんだろ、と思う。いや、ソイツがそういうタイプ、つまり普段は自分を抑えて生きてて、んで飲むこと、酔うことで本性が出るのかもしれないけど、そんなのアルコールが弱い人間には何の関係もない話なんです。
アタシも弱い方だからよくわかるんだけど
「酔って気持ち良くなる」
とか
「酔って本性が出てしまう」
なんて、そんなタイミングはまったくない。もしかしたらほんの一瞬はあるのかもしれないけど、あったとしても本当に<一瞬>だけです。たぶん5秒もない。
じゃあ、酒が弱い人間がアルコールを接種すればどういう感じなのかというと
「飲めば飲むほど気分が悪くなる。同時にテンションがどんどん落ちていく」んです。
で、当時、つまり無理矢理飲まされた時、気分が悪いのを必死で耐えてたら相手はこんなことを言い出す。
「何を沈んでるんだよ!ほら、もっと飲め!」
さらに無理矢理飲まされて、その後どうなるか、もちろん吐くだけ吐いて終わりです。
周りに迷惑をかけるわ、場はシラけるわ、当然飲まされた当人は最悪だわ、どころか飲ませた方も「本性があらわにならなった=自分の思い通りにならなかった」わけでイラつくわ、マジでこんな誰も得しないこともない。
しっかし、酔えば酔うほど本性があらわになる、なんて勘違いはどうやって生まれるんだろ。
百歩譲って酒が好きな人なら当てはまるかもしれない。でもそういう人は自ら積極的に飲むだろうから、無理矢理飲ませるわけでもない。
つまり、アルコールが弱い人に「飲ませて本性をあらわにさせよう」なんて絶対に無理なんですよ。つか方法としては最低だと言ってもいい。
それだったらまだ「一滴も飲まなくていいけど、酔ったテンションでやってくれ。でないと場がシラけるから」と言ってくれた方がいい。
実際、アタシはこれをやることがある。行かざるを得ない飲み会で、今飲んだらヤバい、となったら、異様なほどテンションを上げる。その場の誰よりもテンションを上げる。まさか一滴も飲んでないとは悟られないレベルでやりますよ。つかやってきたよ。
言うまでもないけど、オンナをクドく、なんてアルコール接種状態で一回もやったことがない。
つかさ、そんなことも酔わないと出来ないの?どれだけ気が弱いんだよ、と思わないこともなかったり。