あんまり厳密にやりすぎると
FirstUPDATE2022.6.8
@Scribble #Scribble2022 #インターネット 単ページ 著作権 パブリックドメイン 肖像権 グレーな橋

いや別に物申したいわけではないのですが、Twitterカードの都合で変なタグを入れてしまっただけで。

えとね、Twitterのタイムラインに著作権にかんするツイートが流れてきてね。
もう、これはどうしようもないと思うんだけど、著作権(版権や肖像権を含む)を厳密にやろうなんて無理と思うんですよ。
例えばアタシの本サイト、つまり「Yabunira」ですが、全エントリにカバー画像を貼り付けてあります。んで画像があった方がわかりやすい場合は都度エントリ内に画像を挿入している。
でもね、こんなのだって厳密に言えばアウトなんですよ。だって許諾をもらってるわけじゃないもん。

というか、本当に厳密にやるとTwitterで流れてくる画像のほとんどはアウトだと思う。
ネットから拾った画像、テレビ番組をキャプチャした画像はもちろん、自分で撮った写真だって大抵の場合は何かしら、誰かが何かの権利を持ったものが含まれている。
極端な話、絶対に権利を侵さない画像となると、真っ白な壁をバックにテメエの顔でも写しとくしかない。

つまり、もし、本当に「権利を守ろう」となったら、たぶんインターネットというものがものすごくつまらないものになると思う。
しかもです。昨年末にアタシはこんなエントリを書きました。


もし文字だけで何かを伝えようとなっても、どうも信用性に欠ける。だから「(証拠となる)画像を貼ってくれ」なんてレスが付くんだけど、URLを貼れない、しかし画像がある場合なんかもアウトになる。
つまり、ただでさえデマが蔓延しやすいインターネットで今よりもデマが生まれる確率が高くなってしまうのです。

いやね、もちろん回避の方法はあるんですよ。
フェアユースとかパブリックドメインなんてものが、あるかないかで言えば、ある、ということになる。なるんだけど、これらのこと、そして著作権、版権、肖像権のことにかんする法律を完璧に把握している人がいったいどれくらいいるのか。
法律ってのは守らなければならないものであると同時に、ある程度は周知されてないと成立しません。誰も知らない法律なんていくらでもあるし(ま、誰も、ではないけど)、しかし権利にかんする法律を日本国民全員に100%把握させるなんて無理に決まっている。
「違法だよ!あげるくん」なんてCMがあるけど、あれだって具体的に何の法に引っかかるかはひと言も言ってない。というかそんなややこしいことをCMの短い時間で伝えられるわけがないのです。

以前古○つみのことを書いたけど「トレースするだけで犯罪」と思っている人が殊の外多くてね。
いやトレース自体は犯罪でもなんでもないんだけど、じゃあ、どこからどこまでがセーフでどのラインを超えたらアウトなのか、というと実は本当に難しいんです。
あと、ずっと前にロゴの話を書いたことがあるのですが、既存のフォントを改変してロゴを作成する場合、フォント自体はフリーだけど(つまり商業物に使っていい)改変一切不可、という場合もある。
それがフォント作者の匙加減の問題なのか、それとも著作権絡みのことなのか、実はかなり曖昧なんです。

マジでね、インターネットで何かを発信する場合、もう全員が全員、グレーな橋を渡っていると言っても過言ではないんです。
だからこそ、なんですが、良いこと悪いこと、止める止めない、はこの際度外視してね、自分はグレーな橋を渡っているという自覚は必要なんですよ。
一番サイアクなのは開き直ることです。みんなやってるじゃないか、何が悪い、と。
そうやって開き直る輩が増えてくればくるほど、グレーで済まされているものがブラックに変化する。つまりインターネットがつまらなくなる、と。

せっかくさ、グレーで済まされているんだからさ、このままの方がいいよ。何でもかんでも白か黒かで分ける必要なんてないよ。そんなの息苦しいじゃん。ゼブラーマンじゃないんだから。







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