ずっと気になってて、でもタイミングが合わずに観に行けなかった「ドライブ・マイ・カー」がアカデミー賞国際長編映画賞を受賞したみたいで、まことに目出度いことだと思う。が、ちょっと、あまりにも腹がたったもので。
最後がその前とつながってないんだけど、要するにこういうことです。
Twitterにこんなツイートが流れてきた。
「ドライブ・マイ・カー」が受賞したからといって日本映画が優れているわけではない、云々。
まったく、はぁ?としか言いようがない。
こういうね、冷や水をぶっかけて喜ぶ御仁は殊の外多い。たとえばオリンピックで日本人が金メダルを獲得してね、それを喜ぶ風潮にたいして「その選手がすごいのであって日本人がすごいわけじゃない」みたいな。
もう、こんな基本的なことから言わなきゃいけないのは情けないんだけど、まず根本的に、誰が何にたいして喜ぼうが勝手です。他人が喜んでることに、さも冷静ぶって否定する輩の方が圧倒的に下衆だし莫迦だとも思う。
ましてや、オリンピックで金メダルでもアカデミー賞受賞でもね、誰も「すげー→日本人すげー→オレすげー」なんてなってない。素直に称賛しているだけです。
いやむしろ、どちからというと、民族的な観点で見れば卑下している。日本人なんて・・・無理に決まってる→え?本当にやっちゃったの?そいつはすげーわ、みたいな。
もし当たり前だと思うなら称賛の声は溢れませんからね。
ま、百歩譲って「この機会に日本映画の内実や惨状を知って欲しい」と思ってるなら、それはもう発信するタイミングが悪すぎる。つか「空気読めねーな」と思われるだけで告発めいたことにすらならない。
というかさ、他人が自分事以外のことで喜んでるのを見て「くだらない」とか「何で他人の成功が楽しいの?」とか思えるって、もう、やっぱ、どっかオカシイと思うんですよ。
そんなことを言い出せばエンターテイメントなんて成立しないし、しかしこれだけエンターテイメントが発展してきた歴史がある以上、他人の成功失敗で一喜一憂するなんて普通くらい普通のことです。
もちろん、そういうことが理解出来ない人間が一喜一憂する人間よりもヒューマンレベルが高いなんてあり得ない。つか「理解出来ないけどそういう世界があるんだな」ってのが理解出来てる人と「自分が理解出来ない=それはくだらないことなんだ=つまり理解出来ないのは自分が優れているから=そんなことに一喜一憂するヤツは馬鹿」って人とで、世間的にどちらが<まとも>かなんて比べるレベルにもありません。
だからね、冷や水をぶっかけて喜んでる人って、仮に現状を憂う=少しでも改善しようという意思があったとしてもです。結局マウンティングがしたいだけですよ。
そんなマウンティングなんて何の意味もないんだけど、コンプレックスの果ての感情からくるマウンティングだから止められない。
そうなってくると否定してる方が悪のような気がしてくる。つがまあ、一般人がTwitterでこの手の冷や水をぶっかけてくるのはいいんです。
でもさ、仮にも<プロ>を自称するような人がこんなことを言ってちゃあね。
そういや、あれは何年前の「笑ってはいけない」だったかな。
机の引き出しから松本の兄の書いた本が出てきて、その惹句が「人志おぼえてる?」ってのだったんだけど、それを見た松本の「本にせんでもええやん。俺に直接言えよ」ってのが可笑しくて。
だからさ、冷や水ぶっかけて喜んでる人、直接アンタに冷や水をぶっかけてやるからさ。アンタもTwitterなんかじゃなくて直接その対象に言った方がいいよ。