カーツ佐藤という低くて厚い壁
FirstUPDATE2022.3.10
@Scribble #Scribble2022 #1980年代 #下ネタ #レトロ 単ページ カーツ佐藤 包茎 #みうらじゅん コラムニスト #2000年代 #ラジオ

Scribbleにしてからやたら「ウ○コ!」とか言い出したわけですが、この手の文章にも、ま、数は少ないとはいえ先人がいるものでして。

カーツ佐藤のことは18年くらい前に一度だけ書いたことがあります。
ってまずは「誰?」って人の方が多そうなので軽く説明しておけば、宝島系のコラムニストです。とは書いたけど、コラムニストなんて立派なものなのか。
とにかく下品きわまる内容で、すぐに「ウ○コ」とか「チ○コ」なんてワードが出てくる。ま、下ネタっちゃ下ネタだけど生々しい性的な下ネタではなく小学生レベルの、こう言っちゃ申し訳ないけど幼稚な下ネタです。
しかし、文章自体は意外にもしっかりしており、こんな下ネタワードが散りばめられているにもかかわらずスラスラと読めるんです。

しかしね、宝島誌の方向性も変わってきて、カーツ佐藤もどうしてるんだろ、と思ってたら、パソコン関係や子供向けにシフトして執筆活動をしてたようで。
ま、宝島で執筆してた頃からだいぶ経った、たしか2000年代後半だったと思うけど、みうらじゅんのラジオのゲストにカーツ佐藤が出て喋ってたのですが、正直かなり違和感があった。
下ネタめいたことは言うんだけど、何ともネガティブな下ネタで、たとえば

「たしかにみうらさんは包茎だけど、結構デカい。でも僕は本当に小さいから」

とか。
これ、なかば冗談交じりに言うのであれば別だったかもしれないけど、すんげえ深刻そうに喋っててね、みうらじゅんが言うには普段からこんな感じらしい。
つまり、いくら「ウ○コ!」と書こうが、自著で喜々として変なコスプレをしようが、本性はかなり生真面目で、陰キャ寄りの人柄だったんじゃないかと思う。

以前「毒舌芸が成立するのは、普段は自他ともに認める優しいを超えた<お人好し>レベルの芸人だけ」と書いたことがあります。
普段から文句ばっかり言うような人柄だと毒舌が芸にならない。まずベースにあるのが<優しさ>だからこそ、人に不快感を持たれずに芸として成立すると。
これは文章にも同じことが言えると思う。
本当に下品でバカだったら、それを人に伝える形にすることが出来ない。とくにカーツ佐藤のような「下品でバカで幼稚な陽キャ」を演じるためには、ある意味真逆の人柄でないと無理なんじゃないか。

Scribbleになってから、つまり昨年の10月から「ウ○コ!」と連呼し出したのは、普段のアタシはけして下品な言葉を吐いてるわけではないと自覚しているからです。
でも自分の中に確実に幼稚なところがあるってのも自覚しており、キチゲ開放のネタで「おジャ魔女カーニバル」を歌ってる、なんてことも書いた。
だったらそこを、Scribbleに限って開放しよう。それこそ渥美清と車寅次郎の人柄はぜんぜん違うけど「小さいところを拡大して見せる」ことがエンターテイメントだと思ったんです。

それでもカーツ佐藤にはほど遠い。あそこまで片っ端から下ネタに出来ないよ。
つかこの人、かなり頭がいいんだろうなぁ。と同時にアタシなんか及びもつかないくらい生真面目な陰キャなんだろうなぁと。
まァ、道は長いわ。







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