ま、早い話が「北京オリンピックを一回も見ないまま終わってしまった」ってことなんですが、どうもね、昔っから冬季オリンピックには根本的な興味がないな、と。
アタシは野球に限らずスポーツ全般、基本的には好きな人間ですが、冬季オリンピックの種目ってね、アタシが思うスポーツの定義から外れたものばかりなんですよ。
もちろん「アタシがスポーツの定義から外れてる」と思ってるだけで、それを他人に押し付ける気は毛頭ない。だから楽しみにしている人や実際に楽しんだ人、そして競技者を否定するつもりはありません。
ただ、本当に個人的に思ってることだけど、どうにも「採点競技はスポーツとは違う<何か>なんじゃないか」とずっと思ってて。
要するに、アタシの感覚としてはM-1グランプリなんかに近い。いくら公平を謳ったところで単純に点数や速さや距離を競う、ま、絶対的な指標があるものと同一視が出来ないのですよ。
もちろん、夏季オリンピックでも採点競技はあります。しかし相対的には少ない。というか夏季オリンピックに比して冬季オリンピックは採点競技が多すぎるなと。で、結果的にアタシが「冬季オリンピック全体に」興味が持てなくなったんだろうな、とね。
しかも今回の北京オリンピックは、本来採点競技でない競技まで審判団っつーか開催者側が悪目立ちしていた。
何だ、結局開催者側の匙加減ひとつかよ、となっては、ある意味採点競技よりも釈然としない感情も出てくる。
ドーピングにしろウェアの違反にしろ、とにかくいろいろと「清々しくない」のは事実で、やっぱりスポーツってからには勝っても負けても終わったら清々しくなるってのが理想なんじゃないでしょうか。
そんな今回の北京オリンピックで、最後まで盛り上がったのはカーリングでした。
アタシがカーリングって競技を初めて知ったのは大学生の頃だったと思うけど、ま、ぶっちゃけ物笑いのタネだった。つまり「掃き掃除のような競技がある」っていう。
たしかにパッと見、フィジカルが要求されそうな競技には見えないし、どこか滑稽さもある。こんなの誰でも出来る、スポーツではなく遊びじゃん。せいぜいボーリングあたりと同一ラインだろ、みたいな。
その後、スキージャンプやその他、冬季オリンピックの種目がどんどん「日本が不利になる」ように変わり、また、とくにスケートのフィギュアが何だか美しさを含む華麗さって観点で見ることさえ世界的に憚られる世の中になってね、 つまりケチが付きすぎて単純に楽しめない構造になっていった。
そこでせり上がったのが、かつては嘲笑の的だったカーリングだった。
カーリングは文句なしの点数勝負であり、不平感が出づらい。しかも試合の進行が日本人が慣れ親しんだ野球と似通っている。ルールも単純すぎも複雑すぎもせず、また「実は安定してストーンを投げるのに相当な筋力がいる」というのもあきらかになってきた。
というかさ、冬季オリンピックにもっと、夏季オリンピックで言えば陸上に相当するショートトラック以外の、それこそカーリングレベルの「複雑すぎないけど単純すぎってこともない」良い頃加減の、点数勝負の競技が欲しいわ。
ま、アイスホッケーはいいんだけどね。日本があまり強くないからマスコミの推しも弱いけど、可能性はすごいあるんだから、もうちょっと国をあげて強化策を練ってもいいんじゃないかね。
いやもう、とにかく、採点競技はいいよ。毎度毎度後味が悪くなるもん。