えと、あれはアタシが大学生の頃だったか、それとももうちょっと後だったか、記憶がさだかではないのですが、誰かから「CDのようにレーザーで読み取るレコードプレーヤーがある」なんて話を聞いたわけで。
あれから30年以上。今、あれ、どうなってるんだ、とね、ふと気になって検索してみたら、たしかに今もあるにはある。でもとてもじゃないけど、コスト面でも実用性も「優れている」とは言い難いみたいで。
でもね、このレーザーターンテーブルっての、これ、実は結構面白いんじゃないか、と思ったのはWikipediaに「IRENEシステム」ってのがあるって書いてあったからです。
レーザーターンテーブルの仕組み自体はどちらかと言うとレーザーディスクに近い。物理的な<針>の代わりにレーザーで溝を読み込ませる方式ですが、IRENEシステムはもはやレーザーですらない。レコード盤を画像として取り込んで、そこから溝を検出するって方法です。
一応Wikipediaから引用しておけば
IRENEはしばしば記録時大量の雑音を生じるが盤面の擦り傷によって作られたポップスとクリックは除去される。
IRENEは側面の情報だけ(モノラル)しか読まないが3次元スキャナーの計画ではステレオや4チャンネルのレコードやさらに歴史的な溝の縦方向に刻まれた記録も扱えるようになる。
何でこの方式が面白いと思ったか、ですが、昨年アタシはこんなことを書きました。
もはや音楽も、そして映画などの映像作品も、サブスクで見ればいいじゃん、となってきているのは間違いなく、じゃあ何のために物理メディアを買うかというと、「ファンとしてアーティストを支えたい」という理由をよく聞きます。
(中略)
こうなると実際に中身を聴いたり観たりするのはサブスクなどの配信サービスを使い、購入した物理メディアはセロファンも剥がさない、なんてことが増えていると思う。(中略)CDを購入したというよりはそのアーティストの写真が入った高価で何の実用性もない<板>を購入した、という方が正しい。
実際問題、ジャケットをアートと見立て手部屋に飾ることを想定するならば、CDサイズ(約12cm角)は如何にも小さい。どう考えてもLP盤レコードサイズ(約30cm角)が最適解です。
もしそんなに遠くない将来、スマホでレコード盤の盤面をパシャッと撮影して、IRENEシステムで画像を解析して<音>になれば、こんな面白いこともないと思う。
何よりCDのようにいちいち取り込まなくていいし、スマホでも出来るようになる。
もう、こうなったら「再生装置が不必要な分、レコードの方がCDよりも簡便に扱える」ってことになるわけで、ノイズなしで読み取れればハイレゾレベルの音楽を聴けるってのはすごい。
つまりサブスクorダウンロード配信の音質が「並」でも物理メディア購入者はたいした手間なくハイレゾ音源が手に入ると。
でもさ、レコードの溝を画像から読み取ってデジタルデータ化って、これ、デジタルコピーに当たるのかね。
ソースがアナログだって考えたら書籍の自炊に似てる気はするんだけど、そもそも物理的に掘られた<溝>は本当にアナログなのか?つかデジタルとアナログの定義って何だよ!