先日、晩期のドリフターズについて書いたのでね、ま、あれ自体補足の意味合いが強いんだけど、これはさらに補足です。
高木ブーさんにかんしては私的な交流があった時期があって、その頃のことは↓に書きました。
正直、この頃は気づいてなかった。というか本当にごく最近になって気づいたことがあって、いやぁ、ちょっと遅すぎるっつーか鈍過ぎるわと。
何に気づいたか、それは「高木ブーの身体能力の意外な高さ」です。
高木ブーと言えば、どうしても「鈍重」ってイメージが強くて、グループ活動が盛んな頃は「何も出来ない」って扱いをされていました。
ところが雷様あたりから、実は音楽的に優れているというのが徐々に知れ渡り、いかりや長介も「ドリフターズ一のミュージシャン」と認めている。
しかし、それでも<コメディアン>としては、もう見た目からして身軽な加藤茶、歴代のコメディアンでもトップクラスの身体能力を持つ仲本工事、誰が見ても細かいテクニックがあるとわかる動きが出来る志村けん、そして、いかりや長介でさえも、動けないというイメージはありません。
でも実は、高木ブーも、ドリフターズ内となると下の方になるのかもしれないけど、コメディアン全体でならば確実に真ん中よりも上の身体能力がある、と気がついた。
例えば、年末に特番がありましたが、あれの最初の方でやったスポーツがテーマのコントでね、高木ブーが椅子に座ったまま、バタンと後ろに倒れるってのがあって。
あんなの、普通は出来ないんですよ。恐怖心もそうだし、身体能力がなければ背中が丸まってしまう。
でも高木ブーはそうはなってないもん。背もたれにピシャッと背中をくっつけたまま、バッタリ倒れています。
そういや「誰かさんと誰かさんが全員集合!!」という映画の中でも、ラストで5人が白煙を口から吐いて後ろ向きにバッタリ倒れるのですが、高木ブーはちゃんと倒れている。ま、こっちは多少膝が曲がってるけど。
吉本新喜劇とか、先日勇退を発表した「新婚さんいらっしゃい!」での桂文枝(桂三枝)とかは<コケ>が売りになってますが、あれを馬鹿にする人がいるけどとんでもない。
吉本新喜劇なんかとくにそうだけど、冒頭のコケをやるのは比較的芸歴が浅い、まァ若手がやるのですが、基本的にはみな下手くそで、その中からコケの上手い人がのし上がっていくイメージがあります。
コケが上手いってのはあらゆるシチュエーションで最適な動きが出来る証明で、ドリフターズはみんな上手いんだけど、その上手い中に余裕で高木ブーが入るぞって話です。
それにしてもさ、あらためて思うけど、ドリフターズ内で目立たないふたりのはずの仲本工事と高木ブーの能力が高すぎるわ。
こんな能力が高い人たちが下支えしてるんだから、自由奔放な加藤茶が遠慮なく出来たんだろうし、いかりや長介と志村けんのような計算づくで笑いを作りたい人が計算通りに笑いを作れたんだろうな。
というかね、能力が低いと<フリ>が出来ないんですよ。サッカーと一緒でパスをつないでストライカーがゴールを決めるように、高木ブーがフッて、仲本工事がフッて、加藤茶や志村けんがボケてオトすってのが出来るのはちゃんとフリが出来てる証拠だから。
ドリフターズの真似?無理無理。ひとりだけならともかく、どうやってこんな高能力な人を5人も集めるんですか。
というか高木ブーの能力を超える人をひとり見つけるだけでも尋常じゃないんだから。