ステレオタイプ症候群
FirstUPDATE2022.1.28
@Scribble #Scribble2022 #フィクション #アニメ・漫画 #藤子不二雄 単ページ パーマン パーやん おしりたんてい 二枚目 ドラ泣き 山○貴 のび太と銀河超特急 のび太と夢幻三剣士 王道 ステレオタイプ

最近つくづく「おしりたんてい」のアニメってちゃんと作ってあるなぁと思うわけで。ってもアニメーションそのものがとかじゃなくて、キキャラクター設定がブレないのは本当にたいしたものだと。

おしりたんていってね、あの作品で一番のポイントは「あんな見た目なのにキャラとしては完全な二枚目」ってところなんですよ。
三枚目なのは顔と必殺技だけで、声優も完全に二枚目声で演じているし、間違ってもズッコケたりしない。
これ、前例があったな、と思って、ふと思い付いたのが「パーマン」のパーやんです。
パーやんなんか、あの顔で、あの体型で、オマケに関西弁を喋る。普通ならズッコケキャラにすると思うんですよ。
しかし実際は機知に富み、常に沈着冷静。三枚目要素なんかまるでない。
まァね、たしかに「パーマン」第一次の連載時には関西=滑稽ってイメージが薄かった頃なんだけど、それでも別に「沈着冷静」ってイメージもなかったはずだから。

ところが第二次、つまり1983年から始まった新アニメは、1983年当時の関西人のイメージに合わせてか、ほんのりズッコケの要素を出していました。
もちろんパーやんの声を担当した肝付兼太のパーソナリティもあったんだろうけど、やっぱり、パーやんは「見た目三枚目、中身二枚目」であって欲しかった。
二枚目を強調して、それを笑いに変えるのは昔からあるけど、とくに強調してないごく普通の二枚目的言動が笑いになるおしりたんていやパーやんの方が設定として面白いですよ。

さて、もうしつこく批判してきた「ドラ泣き」映画ね、これ、もしかしたら監督の山崎某は「ステレオタイプ症候群」にかかってるんじゃないかとね。
のび太はあんな見た目なのだから、徹頭徹尾、三枚目でなければならない。徹頭徹尾、情けない存在でなければならない、みたいな。
そんなの、原作を読めば、それが正しいのかどうかなんて一発でわかる話で、じゃあ「夢幻三剣士」や「銀河超特急」ののび太はどういうことなんだろうね。まさか「のび太がカッコ良く活躍するなんて間違ってる。原作者の藤子・F・不二雄がおかしい」とでも言いたいのか?

これも繰り返し書いてますが「ステレオタイプ」と「王道」は似て非なるものです。
王道はそんな陳腐なもんじゃないし、そう簡単に否定出来るほどヤワな構造でもない。しかしステレオタイプは違う。陳腐だし、矛盾の塊だし、否定なんて赤子の手をひねるほど簡単です。
というかさ、おしりたんていでもパーやんでもそうだけど、見た目っつーかキャラクターデザインだけで言動を決めるなんて、一番低レベルって話ですよ。
むしろ「見た目二枚目を三枚目に描く」とか「見た目三枚目を二枚目に描く」ってことこそ王道的な描き方でね、キャラデザは三枚目なのに見終わった後で見たら二枚目に見えてくるようにする。そこにアタマをヒネるのが創作ってもんでしょう。

まァ、藤子・F・不二雄と山崎某をね、ここまで作家としてのレベルが違いすぎる人を比較するってこと自体が失礼な話なんだけどさ。







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