たぶん「ほっこり系」なんていうと「ほっこり系女子」みたいなね、まァ一種のファッションのカテゴリとして使われていると思うのですが、アタシはぜんぜん別の意味で使っていたことがあるって話です。
たぶん、後ろに「女子」と使っても差し支えない感じで「ほっこり系」なんて言葉が出来たのは21世紀に入ってからだと思う。
もちろんその前から「ほっこり」という言葉自体はあった。もともとは京言葉で、意味も21世紀になって以降とはまったく違い「疲れる」というような意味でした。
京言葉がまったく違う意味になって現代に生き残ってる例はわりとあり、それこそ「はんなり」なんかもです。
「はんなり」は本来「華やかな」という意味で、しかし現代では「はんなり」も「ほっこり」も、英語で言えば「Relaxy」とか「Cozy」と言ったニュアンスで使われる言葉に変化したわけです。
ま、何でこんなまったく違う意味に変化したのかは知らない。たぶん語感のせいなんだろうけど。
で、ここから私的な話になります。
アタシはね、正確にはアタシたちの周りの人間は1990年代後半の時点ですでに当たり前のように「ほっこり系」という言葉を使っていました。
意味的にも「疲れた」よりも「癒やし」のニュアンスが濃厚だったのですが、ではどういう人にたいして「ほっこり系」という言葉を使っていたかです。
ま、正直、法から外れることなんで書きづらいのですが、アタシ自身のことじゃないからね。まァいいでショ。
その頃アタシはレゲエなる音楽をやっていた。厳密にレゲエかというと違うんだけど、近しいっちゃあ近しいからレゲエってことにしておく。
本来レゲエというジャンルは「ガ○ジャをキメた状態で」聴く音楽なんです。つまりシラフで聴いてもあんまり意味がない音楽というか。
え?ガン○ャって何って?それはね、ま、ただの葉っぱですよ。北海道なんかでは自生するらしいアレ。あと七味にも実が入ってますね。
レゲエなんかをやってると、当然のように、どこから手に入れたのか、周りにやってる奴がいる。言うまでもなく違法だけど、別に仲が良いとかでもなければ放置する。関わるとややこしいからね。
とにかくね、常習性のある輩のことを身内では「ほっこり系」と言っていたのです。
この言葉がどれだけ汎用というか界隈で当たり前だったのか知らない。ただし仲間内ではないレゲエアーティストでガンジ○のことを歌ってるのは結構いて、その歌詞の中にも「ほっこり」と歌い混まれていたので、あくまで界隈が限られるとはいえ普通の表現だったように思っています。
だから、ま、あの子、ほっこり系女子だよ、なんて言おうものなら、というかそんな噂が立てば、結構エラいことです。つかまるで今と意味が違うから。
いやね、もうアタシはレゲエ界隈から足を洗って(いや洗ったって書いたらいよいよ怪しくなるな、ま、レゲエを辞めた、ですね)もう20年以上経ってるけど、今現在まだ「ほっこり系」という言葉は残っているのだろうか。残ってたとしたら紛らわしくないんだろうか。
にしても同じ「あの子、ほっこりしてるね」でも
・昔の京都→あの子、疲れてはりますなぁ
・1990年代のその界隈→あの子、ガンギマリ
・今現在→あの子、ゆるふわっぽいファッションしてるな
うーん、意味が違いすぎる。だから何なんだって言われても困るけどさ。