一周回って
FirstUPDATE2021.12.20
@Scribble #Scribble2021 #笑い #テレビ 単ページ 世界で一番くだらない番組 ナンセンス 日光テレビショッピング 下品 ピーピー

ほんと、くだらない、という言葉ほど発した人のニュアンスで意味が変わるものもないと思うわけで、吐き捨てるような「くだらねぇ!」と涙を流して大笑いしながら「くだらねーwww」では正反対の意味ですからね。

さて、昔、具体的には1990年代に「世界で一番くだらない番組」という番組がありました。
といってもレギュラー番組ではなく、たまーにスペシャルで放送される、それも深夜にって感じで、見たことがない人はまったく名前も聞いたこともないと思う。
番組タイトルが示す通り、徹底的にくだらないギャグの連打で構成されており、中でも有名なのが「日光テレビショッピング」でしょう。これはあまりのトチ狂いぶりが一時期ネットで話題になったのでご存知の方もおられるかもしれません。


ま、↑を見ればイカれ具合がよくわかると思いますが、でもシュールとかアナーキーな感じではなく、あくまで「くだらない」領域に収まっています。

他のコーナーっつーかコントも、アタシが憶えているので言えば「ぼくドラえもん」をBGMにドラえもんのぬいぐるみが川を流れていくだけの映像(もちろん<ドザエモン>とのダジャレ)、あと中村有志がギリギリのところでセックスさせてもらえず(たしか女性の決め台詞が「ヤレると思ったら大間違いよ」とか言われる)、その発散にバッティングセンターで延々打ち続ける、とかね。
どれもこれも、とにかく、頑なにヒネらない。いやさぁ、テレビコントならば、というかコント作家ならヒネりたくなるもんだと思うけど、冒頭の例で言えば「くだらねーwww」という笑いのためにはヒネってはいけない、というのがよくわかっていたと思うわけで。

ずいぶん前にも書いたように、ギャグの種類っつーかパターンは無限にありそうで実はそんなにないんだけど、アタシはね、徹底的にくだらなさで押し切った「ヒネらない笑い」ってのは、ある意味究極のパターンだと思うんです。
まず、誰でも理解出来る。そしてネタが古びることが極端にない。
それこそアタシもScribbleになってから「ウ○コ!」を連発してるけど、ウ○コと聞いて「幼稚だな」と思う人はいても、意味がわからないとか古臭いギャグと思う人はいないはずです。

もちろん下品は下品ですよ。だからめったには使わないに越したことはないのかもしれないけど、アタシがイギリスに行ってた時でさえ「ピーピー」(おし○こ)はテッパンだった。
アタシ的には、たしかにウ○コとかおし○こは下品だけど下ネタというよりは「くだらない=ヒネってない」ネタです。でもだから、ちゃんとした<間>と<フリ>さえあればですが、引かれることはあってもスベることがない。

何だか自分でも、笑いの感性が一周しちゃったな、とか思う。むしろ今はマニアックなネタとかアナーキーなネタに一番クサ味を感じてしまうんですよ。
だったら悪押しで、ひたすら「ウ○コ!」を連呼するようなギャグの方がいっそ気持ちいい。下手な計算が見えないからあざとさ皆無だし、アタマを空っぽにして楽しめる。
こういうくだらないネタで笑える人を幼稚だなんだと莫迦にする人の方が多いんだろうけど、違うよ。アタシ的に言えばこうです。

ふーん、まだ一周してないんだ。遅いねぇ