正直、どこからどこまでがネズミ講なのか、またネズミ講とマルチ商法と何が違うのかさえ理解してないのですが。あ、知りたいってことじゃないよ。知らなくてケッコー!
幸いにもアタシは周りにそういう人が皆無に近かったので、一切関わらない人生を歩むことが出来ました。ただ、たったひとりだけ例外があって。
ソイツは大学の後輩で、ま、はっきり言って結構どうしようもないヤツだったんですね。
その後輩の同期が放った言葉「アイツは後悔はするけど反省はしない」というのがあまりにも芯を食っていて、同じミスを何度も何度もやらかす。
とくに酷いのが遅刻癖で、ちゃんとした時だろうが、ただの遊びだろうが、必ずと言っていいほど遅刻する。で、そのことを責めると、これまた必ず「違うんですよ」と言い訳から始める、と。
いやいや、まずは遅刻したことを謝れよ。みんな待ってたんだからさ。
そんなどうしようもない後輩が、ネズミ講だかマルチ商法につかまった。ま、最初に書いたように正確にはどうかはわからない。ちなみに有名な某企業ではなく、商品というよりは<情報>の売買をするところで、もちろんその<情報>を得るためには何らかの商品を買わなきゃいけないんだけどね。ちなみに1990年代半ばのことなのでインターネット絡みではありません。
ま、アタシはね、自分のが先輩なので売買に関わることはなかった。まさかオレをターゲットにしないよな?のひと言で終わったし。
ま、普通なら足抜けさせるように仕向けるんだけど、これは放置した方がいいんじゃないかと思ってた。それには理由があります。
それから数年、彼らソレを辞めていた。いや辞めたってよりはソレをやってた会社が倒産したんで辞めざるを得なくなっただけです。
正直ね、ソレをやってた頃は、ソイツから如何にもな怪しい雰囲気が立ち込めていて、おいおい、とは思ってたんだけど、何故か、いや何故かじゃないな、そういうことを始めてね、見事なくらい遅刻癖がなくなったんですよ。
ま、商売なんだから当たり前っつーか遅刻なんてもってのほかだけど、身なりも清潔感のあるようになったし、言葉遣いもカッチリしだした。だから放置していたのです。
面白いのは、会社が倒産してソレを辞めた後も一切遅刻しなくなったのです。
しかも、たしか辞めてすぐだったと思うけど、海外に留学して英語(とは違うけど英語に近しい言葉)を身につけて、一気に「グローバルなきっちりした人」になってしまった。
つまり、ソイツの場合はあきらかにソレをやって良かった。と言うか「会社が倒産する」という一番後腐れない方法で足抜けが出来たので、ひたすら「良い影響」だけが残存したのです。
まァね、今は付き合いがないのでどうしてるかまったくわからないんだけど、アタシが思うのは「あの時ほっといて、つまり無理矢理足抜けさせなくて本当に良かった」と言うことです。
だからといってそういうのをやった方がいいって話じゃないよ。あくまで例外もあるってだけの話でね。