子供の頃はね、台風接近！なんてことになるとテレビの天気予報に齧りついていた記憶があります。もちろんそのココロは＜心配＞や＜不安＞ではなく＜ワクワク＞だったり＜怠けたい＞っだったりしたのですが。
台風が接近する＝警報が出る＝学校が休校になる＝怠けられるって話ですが、これはね、もうしょうがないと思うのですよ。
いや仮に避難なんてことになっても、それはそれで子供にとってはワクワクするイベントでしかない。
そんなもんですよ。だって子供だもん。んなことに本気で危機感を抱く子供はいない、とは言わないけど、少ない。異様な小心の子供は別かもしれないけど、やっぱね、子供ってどこか「自分は死なない」と思ってるはずなんですよ。
いや、誰しも子供の頃、死んだらどうなるんだろ、と想像して夜眠れなくなる、なんて経験があると思うけど、あれってただただ「漠然と怖い」だけでね。具体的な想像が出来ないから漠然としか無理なんです。
大人になるにしたがっていろんな経験をしていくわけですが、これ、一歩間違ってたら死んでた、というようなことも体験していく。
家族なんかが出来たら「守るのは自分だけじゃない、下手したら自分より守らなくてはいけない」というものを得る。いや嫁さんとか子供がいなくても「自分の命よりも親の命」にさえ、思うことがあるわけです。
でもそれはけして命を軽んじてるわけではなく、命の尊さがわかっている、そして「命なんてあっけないものだ」と言うのがわかったからこそ、というか。
そういうのをね、子供にわかれって方が無理な話で、言っちゃナンだけど、子供なんて果てしなくわがままなもんなんですよ。自分が良ければそれでいい、台風が来て、もっとも被害が大きいところでは死者が出てる、なんてどうでもいい。そんなことより明日学校が休みになるかどうかの方が重要だと。
アタシには子供はいないけど、仮に自分の子供がこんな感じでも責める気にはなれない。間違いなく、自分の子供の頃も同じだったし、大人と同じ死生観を持て、というのはムチャクチャな話だと思うから。
・大人の価値観で子供の言動を押さえつける
・今のモラルや法律で昔の出来事を断罪する
・戦火での話を非戦火を基準にあれこれ言う
どれもアタシからすれば同じです。
時代背景でも、年齢でも、経験の有無でも、価値観は変わります。それはもう、当たり前すぎるくらい当たり前のことですが、つまり何が言いたいのかというと、自分とは違う価値観を持つ人＝馬鹿、と考えるのは果てしなく子供の発想に近いのですよ。オブラートに包まずに言えば「幼稚」だと、ね。
だからといって「お前は年齢のわりに幼すぎる。大人になるってのはなぁ」なんて説教してもまるで意味がない。大人になるってのは誰かに説き伏せられたからなれるのではなく、デッドロックにぶつかって「これはもう、大人の思考で＜やりすごす＞よりしょうがないだろ」ってならないと変われないですからね。
いや、年齢的には大人だけど中身は子供、なんて人を大人扱いしてもしょうがない。いわば＜目覚めてない＞んだから、年齢がいくつであろうが大の大人として接したらこっちにストレスがかかる。
ネットで幼稚な意見を撒き散らしている人たちも同じで、社会全体がこういう人たちを「子供として扱わなきゃしょうがない」んだと思う。
なに、彼ら彼女らは「台風接近しないかなぁ」ってワクワクしている子供みたいなもんでしょ？だったら許してあげようよ。
でもね、当たり前だけど大人と同じ扱いは出来ないよ。それは当然わかっているよね？という話で。
とやかくとやかく言う前に
FirstUPDATE2021.11.29
