植木等は「坊主の倅だったからか、語尾までちゃんと発音しないと気持ち悪い」とずっと言ってましたが、それは「ホンダラ行進曲」を聴けばよくわかります。
「ホンダラ行進曲」のスキャットのところ、ハナ肇や谷啓は「♪ ホンダラホダララホェホェ~」って感じなのに、植木等ははっきり「ホンダラホダララホイホイ!」と歌っている。つまり歌であっても、しかもスキャットであっても語尾を流してないんですよ。
そういや「植木等・ザ・コンサート・いろいろあるよいろいろね」のMCで「外国人がアンフォーゲラボッって言ってるのを聞いて、この外国人、何て発音が悪いんだ、ちゃんと「アン・フォー・ゲッタブル」と言え」みたいなことを言ってました。(言うまでもないけどナット・キング・コールの曲ね。てかこれも発音はナッキンコーだわな)
もちろんこれはギャグで言ってるだけだけど、たしかに「日本人<だけ>が聞く場合」に限っては「アンフォーゲラボ」よりも「アン・フォー・ゲッタブル」の方がわかりやすいのは事実でして。
さてアタシは、今現在は神戸に在住しているけど、延べ20年ほどは関東に在住していた。ついでに言えば半年ほどイギリスに在住していました。
そんなアタシがマクドナルドのことを何て呼ぶかっていえば、もう「マクドナルド」一択なんですよね。
言うまでもなく関西ではマクドナルドのことを「マクド」と呼ぶ。んで関東では「マック」です。さらにイギリスっつーか英語圏では「マクダーナー」になる。
やっぱ、関西でマック呼びは何となくこっ恥ずかしいし、関東でのマクド呼びもつまらないことにこだわってそうで、何か嫌だ。
それでもさすがに「マクダーナー」ってのはなぁ。ギャグとしてならいいけど、普段の会話で自然に「今日、マクダーナーに行って」なんてただのガイコクかぶれでしょ。松○太郎じゃないんだから。
と言うか、そんなことをゴチャゴチャ考えるくらいならば無理矢理略称を使わなくて良いよな、と。フルで「マクドナルド」と言えば会話での余計な引っかかりがなくなるわけで、関西だろうが関東だろうが「今日、マクドナルドに行って」って言っても「ちょww マクドナルドって!」てなツッコミをされる心配がないですからね。
それに、です。アタシは坊主の倅でもなんでもないけど、少なくとも「マクダーナー」ってよりは「マクドナルド」と言った方が気持ちいいんです。語尾をはっきり発音した方が<切れ>が良くなるっつーか、口跡が良いってそういうことじゃないかと。
日本人は英語の発音が苦手と言いますが、これはもしかしたらDNAレベルの話なのかもしれない。
英語の単語には「気持ち的には発音してるんだけど実際は発音してない」なんて言葉がいっぱいあって、それこそ「and」とかね、イメージ的には「○○ アー △△ アー □□」なんですよ。つまり<ンド>が消えている。いやまだ、異様に小さく<ン>は言ってるけど、<ド>なんかまったく言ってない。
つまり語尾がきわめて弱いのが英語で、語尾をしっかり発音することがちゃんとした会話、と刷り込まれている日本人には英語ってすごい頼りない感じっつーか、どうも、語尾を流すってのが恥ずかしいというか。
これはこれで文化だと思うんだけどね。何も何でもかんでもネイティブに近い方が正しいってわけでもない。しかも「DNAレベルの心理的抵抗」なのならば「日本の英語教育ガー」ってことでもないように思う。
むしろ「一切日本語は喋れないけどカタカナ英語だけは喋れるガイコクジン」とか面白くない?どう見てもアメリカ人かイギリス人なのに「♪ アン・フォー・ゲッタブルゥ~」って歌うガイコクジンがいて欲しい。
うーん、ちょっと、知り合いのイギリス人に練習させようかしら、ね。