アタシの大好きなカズチャンネルで、久しぶりに旅動画がアップされててね、それで嬉しくなってこんなエントリを書こうと思い立ったわけで。
カズチャンネルを主宰する「福井のカズさん」は、まァ、大別すれば「レビュー系ユーチューバー」ってことになると思う。
しかし商品レビュー以外にもキャンプ動画とか、サブチャンネルまで含めるならゲーム実況や家族動画、あとDIYや料理などかなり多岐にわたっています。
ただね、あくまで個人的な<好み>で言うなら、カズチャンネルで一番好きなコンテンツは旅動画なんですよ。
ところが、言わずもがなですが、このご時世です。旅っつーか出張なんかあるわけもなく、昨年の春からのパンデミックで旅動画は一切なくなった。
しかしようやく、いろいろユルくなってね、カズさんも東京への出張があったみたいで、この程その時の動画がアップされたんです。
というかこの人の旅動画って他のユーチューバーの旅動画とはあきらかに違うんです。何がどう、と説明するのは難しいんだけど、一番わかりやすいところで言えば、すごく短く編集してある。今回のも、たしかに1泊2日だから長い旅ではないんだけど、それでも11分27秒しかない。植木等の大メドレー「スーダラ伝説」が10分44秒ですよ。つまりほぼ「スーダラ伝説」を歌ってる間に東京へ1泊2日の旅を終えたってことですよ。
それほどパンパンとリズム良く編集しているからなんですけど、せわしない感じがまったくないのがすごい。何もないゆったりシーンを長めに使って、重要なシーンは実に細かくカットを入れて短くつないでいる。何をやってるかは明確なのに経過時間は思いの外短い、という。
つまり全体の印象は<ゆったり>しているのに過不足なく旅の過程が詰め込まれており、それでいて再生時間は11分半ほど、という。
これは今回のだけではなくてカズチャンネルの過去動画もすべて同じで、飽きる間がない。もちろん、そこ、もうちょっと丹念に見せて欲しいなってのはあるんだけど、これは「水曜どうでしょう」のことを書いた時にも言ったことだけど、旅の動画ってそのくらいがちょうどいいんです。つか間違っても「ここは面白い、ここも面白い」なんていろんなところを使おうとしたら途端にダレてくる。過程や面白いシーンはなるべく短くして、むしろ何も起きないシーンを長めに入れると<旅感>みたいなのが露呈するんですよね。
そこが旅動画が他の動画と根本的に違うことだと思う。
旅動画で「面白シーンのダイジェスト」になるのが一番つまらない。いやそれはそれで良いのかもしれないけど、旅である必要がない。
見ている人を旅情に誘うにはどれだけ「特別でないシーン」を上手く使うかだと思うんです。
もう一度言いますが、何しろこんなご時世です。旅行好きにはかなり辛いご時世なわけで、せめてYouTubeの動画を見て旅気分を味わいたい人はいっぱいいると思う。
その辺がね、カズチャンネルは本当に上手い。短くて見やすいのに旅気分に浸れる。長い、全部見せようとしている旅動画よりもよほどちゃんと「旅感」があるわけで。
ま、アタシもYouTubeをとりあえず始めたわけで、アタシの場合は顔出しする気はないしカズチャンネルとは根本的に条件が違うんだけど、やっぱ、参考になるわ。
つか文章にしろ動画にしろ、実際にそうなってるかどうかはともかく、やり方を「発明する」っていう気概がないと無理なんだよなぁ。