でんでん
FirstUPDATE2021.10.30
@Scribble #Scribble2021 #テレビドラマ 単ページ でんでん現象 伝説の勇者の伝説 宮藤官九郎 単ページ

最初「でんでん現象」という言葉を聞いて「へぇ、あのでんでんがな。あんまりネットで評価されるタイプの役者じゃないのに<現象>にまでなってるのか」と思ったらぜんぜん違った、という話でして。

にしても、たしかに「でんでん現象」というのはインターネット発のワードにしては面白い指摘で、とエラソーに言っててもアタシもつい最近までこの言葉を知らなかったわけで、アタシのような疎い人のためにニコニコ大百科から引用しておきます。

でんでん現象とは、最初(1話あるいは3話まで)は評判の悪かった、あるいは面白くないという意見の比率が高かったアニメが、回を追うごとに視聴を辞める者を出し、最後には絶賛する人だけが残り、結果的に評判が良い様に見えることである。一話と最終話では視聴者の分母が異なる事を無視して、「面白いのに売れない」と勘違いされることがある。TVアニメ「伝説の勇者の伝説」がそのように評価されたことから名付けられた。


たまたま語源がアニメだっただけで、もちろんアニメ以外の、テレビドラマだったりにも当てはまります。
そういやアタシは前にこんなことを書いたことがある。

宮藤官九郎の最新作(現注・2015年当時)「ごめんね青春!」を見ててね、(中略)クドカンドラマは視聴率がイマイチ取れないことで有名ですが、今までいろいろ見る限り、どうも序盤がイマイチなんですよ。後半になるにしたがって伏線が昇華されて、再見に耐える作品になっていくのですが、前作の「あまちゃん」でも最初のひと月くらいは、どうもモゾモゾしてた。伏線を割れない感じが前面に出てきてしまってました


この後アタシは野球の先発投手に例えて「立ち上がりはイマイチだけど尻上がりになる」タイプと「立ち上がりはいいけどどんどん尻すぼみになる」タイプがいてクドカンは前者である、と書いたんだけど、たしかにクドカンなどの極端なタイプ以外は<でんでん現象>で論破出来そうだし、逆に言えばクドカンの一例で<でんでん現象>を論破出来そうな気もする。

しかしね、それさえも論破出来るというか、同じクドカンのドラマについて、2018年にはこんなことも書いている。

たしかに「監獄のお姫さま」は初回に終盤に持ってくるような展開を用意し、以降9話までは回想のような感じでドラマを展開させていった。「いきなり」事件が起こるので、初回を見た時点では何がなんだかわからないし、時系列で並んでいない、という時点で脱落した人がいっぱいいたと思うんですよ。
これはもう、理解できる。時系列通りに進まないフィクションが苦手な人はいるし、ある意味これは一種のサービスです。こーゆー話だから、苦手な人は見なくても大丈夫ですよ、という


つまりこれは「立ち上がりの悪さを自覚したクドカンがそれを逆手にとって、より<切りやすい>展開にした」ってことなんだけど、もう少し引用を続けます。

アタシがわからないと思うのが、わざわざ初回で脱落出来るよう親切に「こういうドラマですよ」と教えてくれているわけですよ。そして初回を乗り越えて2回目を見ようと思った人は、そういうことを了承していると捉えてドラマを作ったはずなんです。ところが9話になって「そういうことだったのか!」とか「さすがクドカンは天才だ!」みたいな意見が出てくるのは、クドカンをはじめ製作者側は想定外だったんじゃないか。もちろん大どんでん返しを期待した意見はショックだったと思う。その程度しかフィクションを見れないのか、と。
これだからアタシは「最近の視聴者は目が肥えている」なんて言えない。むしろ退化してるんじゃないかとさえ思う


ま、以上。ってほとんどクドカンの話の引用に終始しましたが、ま、でんでんが「あまちゃん」にも出てたしいいんでないの?
お後がよろしくないようで。(でんでん!)







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