ロゴさえ作りゃ、それっぽい
FirstUPDATE2021.10.25
@Scribble #Scribble2021 #デザイン #やぶにらこぼれ 単ページ ロゴ @だまされて貰います

今回もScribbleという偽SNSの話をしたいのですが、マジでね、この世の中「ちゃんとしたロゴ」さえあれば世間を欺けるのではないかと思うのです。

さてアタシはnoteの頃からオロチさんという人のブログにハマったのをきっかけにゲーム考古学に興味を持ち始めたのですが、もちろん、オロチさんのようにマジもんの専門家ならば、いくらそれっぽい「ファミコンのフェイク話」を書いても欺けないと思うのですよ。
でも、それこそアタシレベルの<にわか>であれば「実はこんなファミコンソフトがあった!」って記事と一緒に、それらしきロゴ画像が載ってたら確実にだまされる。
ま、アタシの場合は職業柄、ロゴデザインにかんしてはフェイクかどうか、それなりに見分けられるから特殊だけど、それでも「にわか」「グラフィックデザインを生業にしていない」「当時の文化に精通してるってほどでもない」ならばだませる確率が高いと思う。

逆に言えば「にわかではない」「グラフィックデザインを生業にしている」「当時の文化に詳しい」ならば、確実に見破れます。
たとえばアタシなんかだと、いくら「創業1936年」とあって、当時っぽい看板を見ても「ああ、これはフェイクだ」とわかる。いや、もしかしたら創業1936年は本当かもしれないけど、看板のロゴにかんしては近年になってそれっぽく作ったんだろうな、とわかってしまうのです。
さらに逆の言い方をすれば、これらの条件を満たしている人間が「フェイクロゴ」を作っても、まず見破れないものをこしらえることが出来るわけで。

それでもDTPが発達するまでは難しかったけど、今なんか、改変可能なフリーフォントがいくらでもあるんですよ。んでいくらでもネットで拾える。
ちゃんと登録商標にしようと思うならフリーフォントを使うなんて言語道断、は言い過ぎか。とにかく「あんまりよろしくはない」のだけど、<遊び>としてフェイクロゴを作るくらいなら、もう無限にそれっぽいのが作れるのです。
つまり、グラフィックデザイナーが詐欺に加担することが可能かどうかで言えば、加担どころかきわめて大きな推進力にさえなってしまえるのです。

ま、詐欺行為まで話が及んでしまうとアレだけど、ジョークのサジ加減なんか、作り手も受取手もその人次第だから難しいんだよね。
いくら作り手が「ジョーク、洒落ですよ」という気持ちで作っても、一瞬でも本気にしてしまった人が真実を知って怒るのも無理はないと思うし、かといって大多数の人から見て洒落とわかるようなものをこしらえて、それで糾弾されるのも、やっぱおかしい。
話を戻すけど、アタシも何度か「この世に存在しない、1980年代のナムコのゲームっぽいロゴ」を作ろうと思ったことがあるけど、止めた。いくら「洒落です」と明記したところで、真っ暗な渋谷のビジョンに小池都知事の映像だけがコウコウと映ってるフェイク画像が「洒落」という文言が抜かれて拡散された、とかを見るとね。どうも、難しい。

どうせどっかで「洒落」という文言が消える、つかそれがSNSだとするなら、最初からだます気満々の方がまだマシだわな。
それが社会不安を煽るようなものならダメだけど、ファミコンソフトのフェイクロゴなら、まァいいじゃん、と思ってみたり。







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