今回ばかりは高野連の肩を持つ
FirstUPDATE2021.8.16
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オリンピックが終わってリーグ戦が再開と相成ったわけですが、今週の阪神タイガースは2勝1敗。内容的にもまあまあだったし、大山が昨年の調子に戻りつつあるのが大きい。

でも今回はそんなことはどうでもいい。夏の甲子園が大変なことになっているからです。
いくら記憶を巡っても、この時期にこれだけ雨が降るのはまったく記憶がない。8月の頭までは雨が続くことが稀にあったけど、8月の中旬くらいから、ちょうど夏の甲子園が始まる頃からですね、は、まさに残暑の時期であり、ちょっと降ってくれたら多少は涼しくなるのになぁ、なんて思いながら暑さに耐える季節、というか。
つまり、今年は完全に異常気象なのです。

もう、あんまり言いたくないんだけど、とにかくヤフコメ(ヤフーニュースのコメント欄)が酷い。というかあれ、完全に昔の新聞の投書欄ですよ。自称モラリストが上から目線であーだこーだと。
結局人間なんて変わらないって証明してるだけなんだけどね。
それはともかく、夏の甲子園の問題にかんしては、案の定高野連がターゲットになってる。んで何を言ってるかというと、早い話が「リスクヘッジがなってない」ってことなんですよ。
そもそも「リスクヘッジ」なんて簡単に言うけど、個人的にはくだらない言葉だと思う。つかリスクヘッジなんて金銭的に余裕があるから可能なんですよ。逆に言えばいくらアタマを使ったからといってリスクヘッジなんか出来るわけがない。

夏の甲子園もそうで、とにかくヤフコメでよくあるのが「甲子園もドームに」とか「ドーム球場で代替開催」とかね。
もう、アホか、としか言いようがない。そんなカネ、どこにあるんだよ、と。
夏の甲子園にしろセンバツにしろ、あれはね、ものすごく微妙なバランスの上に成り立っているのですよ。
高校野球の全国大会は大正時代から行われていたけど、ふさわしい球場がなかった。そもそも当時はまともな球場自体がなく、そこで阪神電鉄が所有していた鳴尾の土地に大球場を「高校野球のために」作った。これが1924年、大正13年のことです。

阪神電鉄はいろいろな<絡み>を考慮して、春夏問わず高校野球全国大会においては使用料を<一銭も取ってない>つまり、タダで貸しているのです。しかも通常年であればプロ野球が使用すれば莫大な収入が得られるお盆前後に3週間近くもです。
まず、この大前提がわかっていれば、安易に代替球場なんて考えが出てくるわけがない。んなもん、地方のこじんまりした球場でも3週間も無償で貸してくれないよ。当たり前です。ましてやどこのドーム球場が無償で貸してくれるというのやら。
もちろん「高校野球のために」甲子園をドーム化なんてやるわけがない。そのカネはどこから出てくるというのか。それも阪神電鉄が負担しなきゃいけないんでしょ?

つまり、高校野球の全国大会ってのは、今とはぜんぜん違う時代にいろんなことが決まっていったもので、約100年後の現在、そんな簡単に触れる仕組みにないのです。もし安易に触ればすべてが崩壊する。それくらい、ある意味脆いものです。
しかしそれこそ「そんなリスクを負ってまでリスクヘッジする」意味なんかあるわけがない。ましてや今年は異常気象なんですよ。そんな年のために全改革するなんて、それこそただの思いつきです。

つまりはね、甲子園ってブランドがーとか、そんなもんにこだわってるのは老害だけだーとか、そういうのはぜんぜん関係がない。もう、そうした歴史的経緯や経済がわかってるかどうかだけです。
つかさ、あんな炎天下で試合をやらされて可哀想、とか、あれは「やらされてる」のか?いやだったら野球なんかやらなきゃいいじゃん。別に「全国民野球をやれ!」って強制されてるわけじゃないんだし。

まァこれがヤフコメですよ。自分はやりたくない→やってる人はやらされている→可哀想→国が悪い組織が悪い、ってどのニュースでもそんなのばっかりだから。
ホント、新聞の投書欄と一緒だわ。







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