昨年の新型コロナパンデミックの影響による6月開幕&シーズン短縮に続き、今年のプロ野球は7月の半ばから8月の半ばまで約一ヶ月間ペナントレースを中断する、というね、まァ言えば2年連続の「前代未聞のシーズン」になったわけで。
で、ペナントレース中断期間中、他リーグのチームと試合をする、という、エキシビションマッチなる「練習試合」が日程として組まれているわけですが、何で「エキシビションマッチ」なんていう名称が用いられているかを考えたい。
その前に他の非公式試合との比較から書いていきます。
◇ 練習試合
基本的なルールは公式戦に準ずるが勝敗度外視の「選手の腕試し」が目的のため、後攻チームがリードしていても9回ウラが行われたり、DH解除後に再びDHを使う、リエントリー(一度交代した選手が再び試合に出る)など、両球団の監督の了承さえあればフレキシブルに運用される
◇ オープン戦
これも基本的なルールは公式戦に準ずるが、セ・リーグ球団主催試合でもDH制で行われるのが普通(意図的にDH制を使わないことも可能)
◇エキシビションマッチ
ほぼオープン戦に準ずる(セ・リーグ球団主催試合でもDH制が取れる)と思われるが、詳細は発表されていない
こんな感じですか。
とにかく、ま、検索しただけだけど、調べても「公式戦との明確なルールの違い」を明記してあるサイトが見つかりませんでした。
ただスポナビのプロ野球速報を見る限り、勝敗は記録されるもののオープン戦とは違い、勝ち投手、負け投手、ホールド、セーブ、ホームラン数など、いわゆる「累計記録」は一切ないものと思われます。(だからボックススコアでも打率の欄がない)
一応は累計記録があるオープン戦と違い、エキシビションマッチは累計記録がない、とするなら、感覚的な<非公式度>は練習試合とオープン戦の間にエキシビションマッチが入るって感じです。
しかし甲子園球場で行われるエキシビションマッチの入場料を見る限り、「公式戦よりもやや安く」「オープン戦とほぼ同額」になっており、またナイトゲームでの試合が基本ということを考えるなら「オープン戦よりやや扱いは上」ともとれるわけで。
これは完全にコロナパンデミックの影響でしょう。
もしコロナなんてものがなくて、すべての公式戦が人数制限のない有観客で行われていれば、まったく違った形式で行われた可能性が高いはずです。
甲子園球場の公式戦はいまだにファンクラブにたいしてのみの入場券の販売であり、一般の入場券は販売されてない状況です。つまり「ファンクラブに入ってないファンは試合が観れない」状況がずっと続いていますが、エキシビションマッチは一般販売を行っている。
つまり、ファンサービスであり、同時に観客動員を見込めるイベントなのです。
ただ、もしたんに「練習試合」なら入場料は取れない。取ったとしても相当安価で、となる。
コロナがなければそれでも良かったんだろうけど、各球団コロナの影響で財政が厳しいのはあきらかなわけで、となると「練習試合」と銘打つわけにはいきません。
かといってオープン戦とも違うし、当然交流戦とも違うわけで、そこで「非公式試合であることには変わりないが、それなりの入場料が取れる」エキシビションマッチなる立派<そうな>名称をヒネり出したのではないかと。
ま、立派<そう>なだけで、日本語にするとただの「公開試合」でありゴマカシもいいところなんだけど、こういう「なりふり構ってられない」って感じの名称は、正直嫌いじゃない。
そりゃあ、厳しいわなぁ。って経済なんて知ったこっちゃない、なんて人には1ミリもわからないだろうけどさ。