えと、今週の阪神タイガースは3勝3敗ですか。
阪神「ロッテ打線、西武打線コエーわ!」
ロッテと西武「阪神打線コエーわ!」
てな感じだったんじゃないですかね。
いや、そりゃあね、悪いところに目を向ければ中継ぎが崩れてきて心配とかどうとでも言えるんだけど、それよりもあの<貧打>阪神が「殴り合いになっても五分で渡り合えている」ことに感動する。投手が燃えても燃えてもそれ以上に打てば勝ちなんだけど、そういう野球がやれてるのは素直にすごいんじゃないかと。
中でも西武3連戦です。(月曜日に書いてる都合上、どうしても週末のカードの印象が強くなるのは勘弁してね)
金曜日の佐藤、日曜日の中野、んで負けはしたけど土曜日の伊藤と、ホント、今年のルーキーはどうなってるのか。いや能力云々以前に、何でそんな、当たり前のように持ってる能力を試合で発揮出来るんだよ、と。
もちろん、ルーキーだからね。単純な能力というか技術は(さすがに佐藤は除外せざるを得ないけど)、まだ物足りないのも事実なんですよ。でも現状持ってるテクニックを当たり前のように試合で使えるから技術不足が目立たない。
日曜日は村上が打たれたけど、あれがある意味ルーキーらしい姿なんです。緊張しまくって持ち味が半分も出せないのが当たり前。だから村上を責める気にはならない。
つまり、如何に他のルーキーが狂ったレベルか、なんです。
というか、ま、実は阪神に限った話ではないのですが、今までいた「ブルペンエース」や「フリー打撃のホームラン王」はいったい何だったんだって思う。
一軍でほとんど活躍出来なかった選手の中にも、もしかしたら佐藤や中野よりも優れたテクニックを持ってた選手もいたのかもしれない。でもせっかく身につけたテクニックが試合で発揮出来なければ何の意味もないわけで。
これは芸能の話だけど「魅力につながらないテクニックに何の意味もない。テクニックは目的ではなく手段だ」と書いたことがあります。
<魅力につながらない>を<試合で発揮出来ない>に変えればまるまる野球選手、いやすべてのスポーツ選手に当てはまる話だと思う。
テクニックを向上させるのは本当に大切なことです。テクニックの数=引き出しの数なんだから、そりゃあ、テクニシャンになるに越したことはない。
でもそれはあくまで「身につけたテクニックを活かせるメンタルがある」という大前提を抜いてもらっちゃあ、困る。
昔、阪神に高井という選手がいました。
この高井がルーキーの時に紅白戦を観に行ったことがあって、トスバッティングを見て震えた。とにかくまったく軸が動かず、バットが身体に巻き付くように振れる。高卒ルーキーでこんなすごいのがいるんだ、と本気で感心した。
「掛布雅之と篠塚和典を足したスイッチヒッター」という触れ込みは本当だった、と。
ところが、じゃあ、高井、と聞いてピンとくる阪神ファンがどれだけいるか。というか(怪我もあったとはいえ)そもそもほとんど一軍の試合に出ることなく自由契約になっている。
正直、高井のメンタルがどうだっかは知らない。でも間違いなく「テクニックを試合で発揮出来なかった」選手であるとは言える。
たまたま高井をやり玉に挙げるみたいになってしまったけど、そんな選手は阪神に限らず山のようにいたわけで。
だからこそ、今年の阪神の、いやこれも阪神に限らず、栗林も牧も早川も若林も鈴木も伊藤(日ハムの方ね)も(あと2年目だけどロッテの横山はすごかった!)、プロとして一番大事かもしれないところを兼ね備えている。それも狂ったレベルで。
彼らは今後、さらなるテクニックを身につけるはずで、それが本当に身になった時、日本の野球界を支える選手になると思うのですがね。