兵庫県神戸市の生まれ、ということもあって、アタシは子供の頃から阪神タイガースに心を寄せております。
ではね、誰かと阪神の話をするかというと、ほとんどしない。ま、せいぜいひとりの友人と、母親とくらいです。つか阪神云々関係なく、そもそも野球の話なんかしない。よく「政治と野球の話はNG」なんて言いますが、実際唐突に野球を語りだして良いことなんか何もないからね。
こうなると、それなりの熱量のある他球団のファンの人と野球話をすることなんか、皆無に近いのですよ。
たま~にね、そういうタイミングがあったとして、偶然野球の話になったとしてもね、相手が<常識人でさえあれば>ちっとも嫌じゃないんです。何故ならアタシは「阪神贔屓」である前に「野球全般贔屓」だと思っているんで、応援する球団は違えど同じ野球ファンじゃないか、と思うだけで嬉しくなってしまうんですよ。
ただし<常識人でさえあれば>という前提を抜いてもらっちゃあ、困る。
幸いにもリアルで接した他球団ファンはみな常識人だった。いやそもそも著しく常識に欠ける人とは野球関係なく話をしようとも思わないですからね。
でもインターネットの場合はそういうわけにもいかない。常識非常識をはかる前に相手の言葉が飛び込んでくる。とくに某掲示板なんかは常識人を探す方が難しいレベルで、とんでもない暴言が飛び出すところです。
もちろんアタシだって、ここはそういう場所だと理解した上で閲覧してるんだから腹は立たないですよ。でも、何というか、それこそインターネットのない時代には考えもよらなかったようなことを考えるようになったとは思うんです。
インターネットのない時代でもね、阪神という球団や選手にたいする他球団のスタッフ、選手の評価は気にはなってはいました。やっぱ「阪神?まァ、あそこにだけは取りこぼしちゃいけないね」なんて言われると、少なくとも良い気はしなかった。つか長い暗黒時代はそう言われて当然のチーム力ではあったんだけど。
それは今も変わらない。ところが今はそれに加えて「他球団<ファン>」の目まで気になり出したのです。
自分がそうだからよくわかるけど、どれだけ<常識人>であってもファンなんて得手勝手なことしか言わないもんです。いくら事情通だと自認しても、所詮は中の人ではないんだからマスコミが報道したことと怪しげな噂話を総合したことを真実とするしかない。それはインターネットの時代になろうが変わることはありません。
また、選手への評価も、これまたプロのプレーヤーではないんだから本当に正しい評価など出来るわけがなく、公表されている数値に頼るしかない。
そんなこんなは百も承知しているのですよ。なのに、他球団ファンの、贔屓球団、贔屓選手への評価が気になってしまう、と。
もうすっかり廃れてしまいましたが<キョロ充>なんて言葉がありました。
ま、正確な意味は重要ではないけど、つまりは「周り(リア充)に合わせることばかりに気を取られている」人を指してたと思うんだけど、他球団の<ファン>を意識せざるを得ない今の時代って、プロ野球ファンはみなキョロ充ファンなのかもしれない。
本当は自分の中での楽しみ方が確立されていればそれでいいはずなのに「○○なんてクソ!」なんて言い出す常識のない他球団ファン意見に流されてしまうっーか。
どうも、野球に限らず、インターネットなんてもんを見出すとね、純粋な「好き」みたいな気持ちが薄らぐような気がする。
アイドルやアニメを置き換えても一緒で、本当は好きなのに、これが好きとか言うと何を言われるかわからないから、好きという気持ちを封印しよう、みたいな。
ま、これがリアルで言われるのならね、それは交友関係が悪いんだよ、とか言えるけど、今は「そもそもネットなんて見る方が悪い」ってなっちゃうと、それこそ何にも出来なくなるし。いや、これもよく言われるけど「叩かれるのが嫌ならネットなんか止めろ」ってのを肯定することになる。
暴言を吐く側は責められずに気持ち良くネットを使いたい側が止めなきゃいけないのはおかしいっしょって話でして。