ワイもワシも本当に役割語になっちまったよ
FirstUPDATE2020.9.6
@Scribble #Scribble2020 #ことば #プロ野球 単ページ ワシ 役割語 清原和博 川藤幸三 ドラゴンボール #北信越地方 tumblr

<なんJ>では猛虎弁なるものが使われているわけですが、猛虎弁は関西弁とは違うので、関西地方では現在ほとんど使われることがない<ワイ>という一人称が定着しているのですが。

ということを前提として。
<ワイ>を一人称で使うと言えば清原和博でしょう。
もっとも清原の本当の一人称は<オレ>(もしくは<ボク>)なのですが、本当はオレと言っててもスポーツ新聞の記者が<ワイ>を使い続けたので清原=ワイが定着してしまった。
清原=関西人=関西人の一人称=ワイ、と言った具合で<なんJ>の一人称になったと。

ただ例外はあって、たとえば川藤幸三なんかは関西人扱い(実際は福井県の嶺南地方出身)なのに一人称は<ワシ>です。
野球エントリではないので詳細に書いてもしょうがないんだけど、川藤はある意味オフィシャルイメージに自らのキャラクターを寄せてる人なので、本当に<ワシ>を使う。
いわばね、<ワイ>にしろ<ワシ>にしろ、もう役割語に近いんです。
実際、関西で<ワイ>や<ワシ>を一人称に使う人はほとんどいない。若者は皆無、年配の人でもごくごく一部の地方のみ、という感じです。

昔話では老人は<ワシ>を使い、老人でも田舎の人を強調したい場合は<オラ>を使う。そもそも「ドラゴンボール」の悟空だって何で一人称が<オラ>なのかと言えば、女性さえ見たことがない田舎者という扱いだったから役割語として<オラ>を使ったわけで。
現実世界では死語になったけど役割語としては残存する、というのはままあることですが、その役割を<なんJ>が果たしてるってのが、何とも面白いっつーか、時代が出てるなと。

ほんのちょっと前までは役割語が残るのは昔話をはじめとするフィクションに限られたけど、令和はっつーかこれからはインターネット掲示板になるのか。
ま、アタシは言語学者でもなんでもないので、これ以上の言及はしないけどね。







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