嵐を呼べないタイミング
FirstUPDATE2020.7.16
@Scribble #Scribble2020 #レトロ #1980年代 #1950年代 単ページ 石原裕次郎 CM 資生堂 ビコーズ わが人生に悔いはない 香典代わり

とりあえず、嵐ってのは今年中で活動停止するんだかしないんだかよくわかんないグループのことではありません。

えと、アタシが高校生くらいの時だったかな。資生堂のビコーズっていう男性化粧品があってね、そのCMが石原裕次郎の映画の一部を使った映像+石原裕次郎のヒット曲、というものだったんですよ。(ただし劇中の歌唱シーンというわけではない)
たしかこの頃、軽く石原裕次郎のリバイバルブームが起こったような気がする。というかそう記憶しています。

CMで使われた日活の裕次郎映画が公開されていた頃から20年ちょっと。裕次郎自身も(闘病中だったとはいえ)存命でしたし、レトロブームなんてのも始まっていたのでタイミングとしてはバッチリでした。
しかし結果としてはこれが最後の「石原裕次郎にスポットが当たった」ってことになる。最晩年にレコーディングした「わが人生に悔いなし」はヒットしたとはいえ、ま、あれは半分「香典代わり」で売り上げが伸びたんだろうし、個人的にはあまりヒット曲とは認めたくないんです。

いやね、ここが重要だと思うのですが「わが人生に悔いなし」とか美空ひばりの「川の流れのように」とかは、かつてのひばりファン、かつての裕次郎ファンが購入しただけで新しいファンを獲得したわけじゃない。そこがアタシが敬愛する植木等の「スーダラ伝説」とは違う。
やっぱりね、晩年の姿<だけ>をいくら見せられても新しいファンは付かないと思うんですよ。絶対に全盛期の映画なり歌なりとセットでなければならないと。
ビコーズのCMはそうじゃない。昔の映画を今風に処理することで新しいファンが付きかけた。
ただ結果としては、本人の体調の問題もあって一過性に終わった。つまり火種を上手く活かせなかったのです。

でもね、それこそ昭和のスターのうち、美空ひばりなんかと比べると顧みられることが少ないのも事実だし。うーん、やっぱ仕掛けるタイミングが遅かったのかなぁ。







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