縛りっつーかね、ここで言う「学園青春ドラマ」とは東宝テレビ部制作の、日本テレビで日曜の夜8時から放送されていた(今イッテQをやってる枠)ものに限定しています。
第一作「青春とはなんだ」(1965年)から最終作「われら青春」(1974年)まで<たった>10年と言えば10年ですが、この時代の10年は他の時代の30年に匹敵すると思う。それくらい移り変わりが激しかったからね。
ま、アタシが実際に見たことがあるのは第一作の「青春とはなんだ」と、末期の「飛び出せ!青春」「われら青春」だけです。今はスカパーでさえまったく再放送されないし、本当に再見する機会がないんだよねぇ。やってくれたらテッパンで全話録画するのに。
それはいいんだけど、面白いのが主題歌でして、主題歌を手掛けたのは全シリーズ(「炎の青春」を除く)音楽を担当したいずみたく。しかし、同じいずみたく作曲でありながら「青春とはなんだ」と「われら青春」ではまったく違うんですよ。
じっくり聴き返してわかったんだけど「青春とはなんだ」の主題歌「若い明日」は、もうこの時代ですら珍しいレベルのスウィングジャズで、ほんと、ここまでてらいなくスウィングしている楽曲だったって記憶がぜんぜんなかった。
では「われら青春」の「帰らざる日のために」(編曲は森岡賢一郎)はというと、これが完全に時代を反映してブラックミュージックの影響が濃厚なんですよ。
さわやかなコーラスと易しいメロディで非常に気づきづらいんだけど、トラックをちゃんと聴いたら、いやぁ、黒い黒い。これ、歌詞とヴォーカル変えたらマジで学園青春ドラマの主題歌のカバーとは思わないよ。
「飛び出せ!青春」の「太陽がくれた季節」にも言えるんだけど「歌詞はクサく、歌唱はさわやかに、メロディは易しく、んでアレンジは尖って」ってのを徹底させてるのは凄いわ。