たとえば芸能人が不祥事を起こしたとしますわな。ま、不祥事ったってせいぜい軽犯罪、一般人なら、いや植田まさしなら「ンモー、そーゆーことするー!」で済まされる話です。
しかし芸能人は記者会見とやらをやらなきゃいけない。そんでもって謝罪するわけです。「この度は世間をお騒がせしていまい、誠に申し訳ありません」とかなんとか。
あれ、いったい誰にあやまってるの?
世間って具体的に誰と誰よ?
これがね、もし被害者がいたとしたら被害者に、グループとして活動しているのならグループの他メンバーに、所属している芸能事務所に、テレビ局やスポンサーに、あとファンクラブに入るほどの、つまり自分にたいしていっぱいお金を落としてくれたファンに謝罪するのはわかるんです。
ところが謝罪会見とやらはそのどれでもないわけですよ。おそらくたいして自分に興味がないであろう<世間>という名の不特定多数にあやまっている。
あれ、いったい何の意味があるのかいまだにわからないんです。
もちろん、別にファンじゃないけど不祥事に憤りを感じて、謝罪会見を見て溜飲を下げる人もいる。
でもそれって完全にゲンクソの問題なんですよね。
ゲンクソってのが関西弁なのか何なのかも知らない。だから上手く標準語に置き換えることが出来ないんだけど、まァ無理矢理言えば「腹の虫」とでもいうのか。相手がよくないことをしたら、とりあえずあやまるまで虫の居所が悪いっていうか。
しかしさ、個人のゲンクソの問題で、まったく付き合いのない、遠い世界に住む芸能人のことを、あやまるまで許さない、なんて、やっぱ、おかしいよ。
つかプロ野球とか見てたらゲンクソの問題だらけですからね。アイツが打てば、アイツが抑えれば勝ってた、とか。
でもアタシはプロ野球選手に「あやまれ」なんて発想は微塵もない。いやむしろあやまられても困るわ。