先日ね、GYAOでタダで見られるってことで「阪急電車 片道15分の奇跡」って映画を見たわけでして。
阪急電車と言えば幼少期より馴染みも馴染みなわけで、ま、リアルタイムでもちょっとだけ興味はあったけど、わざわざ見に行くほどでもないなと。
んで実際見ての感想ですが、何ともフシギな感覚のある映画でした。
いや、これでは誤解されそうだけど、別にフシギな感覚に作ってあるわけではなく、今、つまり制作から8年ちょい経って見たからフシギに感じたわけでして。(現注・以下もすべて「8年」とある箇所は2019年当時から換算した場合です)
この8年ってのは実に絶妙でね、しかもこうしたあまり起伏のない日常からはみ出さないことに主眼を置いた映画の場合、どうも、空気感とかは今とほとんど同じだけど、断じて今じゃないっつーか。
一番わかりやすいのがケータイでしょう。
主人公のひとりを演じた戸田恵梨香(どうでもいいことだけど、どうもこの人とご近所さんだったらしい)はガラケーを使っている。でカレシに別れたい旨を「メールで」送る。
この瞬間、途端に現実に引き戻される。ああそうか。これは2011年の世界だったんだって。
思えばアタシはこうした「中途半端に古い」映画を、ああ洋画はあるか。でも邦画に限ると今までほとんど見たことがないってのに気づいてね。
でもこれはあえてやったら面白いかもしれないってのに気づけたのはわりと大きなことでした。
映画そのものについてちょっとだけ書いておくと、宮本信子、上手いな。この人別に関西出身でもないのに神戸弁(大阪弁とは若干違う)を完璧に、少なくとも神戸出身のアタシが聞いてもまったく違和感がなかったってのは実にたいしたものです。
あとは芦田プロか。やっぱこの子は違うわ。何というか、あざとさスレスレなんです。でもスレスレで回避してるのがすごい。これはマジでプロフェッショナルのテクニックですよ。