何だか文法的に間違ってるようなエントリタイトルになっちまったっつーか。ま、普通なら「あなただけ」でいいってことになるからさ。でもこれでいいのです。
結構前に「恋はメキメキ」という楽曲のことを「アナクロな邦題のせい(おかげ)で、いつ頃作られた曲なのかわからなくなっている」みたいに書いたことがあります。
これはわりと珍しくて、とくに歌謡曲やポップスに類する曲って普通は「完全に時代を反映してる、一過性かもしれないけどパワーがある」か「時代を超えた普遍的な存在になる」かのどちらかなんです。
ところが何事も例外があるもので、まさに「恋はメキメキ」はそうなんだけど、これは邦題のせいでそうなっただけで、純粋に楽曲として時代から抜け出してるわけでもないんです。
そんなことを考えてるとせり上がるのがあおい輝彦の「あなただけを」で、ムードだけなら1990年前半に流行ったようなエバーグリーンソングに近いし、<音>とか歌詞は1960年代後半のワイルドワンズとか加山雄三に近い。
んで実際にリリースされたのは1976年。ま、歌ったのがあおい輝彦だって考えれば妥当なんですが、どうもね、1976年ぽくないんですよ。
1976年と言えばアタシは小学校低学年だったけど、リアルタイムで聴いた記憶がまったくない。かといって懐メロ番組であおい輝彦が歌ってるのを見た記憶もないし、CMソングに使われた印象もない。
なのに、フシギと知ってる。しかもちゃんと「歌唱・あおい輝彦」ってことまで。
こういうのをまさに「時代を抜け出した」っていうんだと思う。一過性でも普遍的でもなく、どの時代にも当てはまりそうで、どの時代にも当てはまらない。しかもいつの時代に聴いてもわりとフレッシュな感じで聴けるっつー。