私が愛したアキノタイサク
FirstUPDATE2019.11.6
@Scribble #Scribble2019 #本 #芸能人 #映画 単ページ 秋野太作 渥美清 小林信彦 男はつらいよ

発刊されて2年以上経ってるので今さらですが、「私が愛した渥美清」という本を知ってね。著者は秋野太作。もちろんあのグズ六を演じた、と言っても余計わからないか。

これが実に面白い。この種の本によくある「気持ち悪いほどの崇拝」はなく、渥美清にたいしてだけは尊敬の念が強く出ていますが、あとは、もう、これ、大丈夫なの?と言いたくなるほどの切れ味でして。
その舌鋒は主に山田洋次にたいして向けられています。その怒り方が面白く、私怨ではなく今風に言えば「自分アゲのために伝説となるようなことを発言する」山田洋次に怒っているというか。いやいや事実はそうじゃなかっただろ?みたいな。

さらに個人的に面白いのが「おかしな男・渥美清」の著者でもある小林信彦のことをクソミソに叩いているところで、死んだらこの人に何を書かれるかわからない。みんな小林信彦より長生きしよう、みたいに呼びかけているのが可笑しい。
アタシは、まァ、広義に言えば小林信彦のファンなのかもしれませんが、この人の<無意識上から目線>は天然で、彼の論評やコラムはどんな事象を書こうとも自分が賢者のポジションにいるのが常です。
論評の対象本人でないのはもちろん、論評対象者とリアルの知り合いでもないアタシからすれば、実は相当、小林信彦の<無意識上から目線>にイラ立っている人がいるんじゃないかと思ってたんだけど、ついに真正面からやってくれた。

この箇所だけでも一読に値します。というか秋野太作、いや秋野太作さん、本当にすごい!ってこれも上から目線になるのかね。







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