甘ァい男は灰田勝彦
FirstUPDATE2019.11.2
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まァアタシだけかもしれないけど、一聴しただけで「あ、これは灰田勝彦が歌ってる」とわかるのはこの人くらいじゃないかね。もう最初の1音でわかるもん。

ってそれくらい特徴があるからなんだけど「ぼくはアマチュアカメラマン」なんか、もう歌い出しの「♪ ぼォ」の時点でわかったもんね。
灰田勝彦はもともとハワイアンのヴォーカリスト(というかウクレレ奏者)でした。って書くと語弊があるな。いや正直灰田勝彦はハワイアンが好きで好きでってわけでもなかったと思う。たまたまハワイという土地で生まれ育っただけなのかもしれません。

ただ「ハワイで生まれ育った」んだからハワイアンは灰田勝彦の血肉になっていたのも事実で、ハワイアンであろうがなかろうが発声がハワイアンベースなんですよ。
灰田勝彦は戦後も人気をキープしましたが絶頂だったのは戦前から戦中で、となるとハワイアンとは何の関係もない軍歌的なものもずいぶん歌わされた。中でも「加藤隼戦闘隊」などは今も有名です。←そうか?

軍歌に限らずね、ハワイアンとは正反対に位置するような「燦めく星座」(現注・アレンジは無理矢理ハワイアン風になってるけど)や戦後には自身が大の野球好きだったこともあって「野球小僧」や南海ホークスの球団歌も歌っている。
それらはハワイアンとは程遠い。だから快活には歌ってるんだけど、何しろ発声法がハワイアンだからメチャクチャ不思議な魅力があるんです。
しかもこの人、上手く説明出来ないんだけど、見た目も含めて存在感が<甘い>んです。ある意味退廃的なのかもしれない。だから戦中に作られた戦争映画で灰田勝彦が出てくるとホッとする。ま、その分軍部から相当睨まれたらしいけど。

しかしこんな、徹頭徹尾「モダンでもダンディでもなく<甘い>存在な人」なんてこの人くらいだよ。ディック・ミネでもそこまでいかない。これもハワイの土壌のおかげなのだろうか。







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