やっぱこの頃の林檎ちゃんはサイコー!
FirstUPDATE2019.10.27
@Scribble #Scribble2019 #音楽 #1990年代 単ページ 椎名林檎 歌謡曲 ロック

何しろアタシはサンプル盤から聴いてる人間だからね、どうも椎名林檎には思い入れがあるわけで。

その後もわりと継続して聴いてはいたんだけど、結局、アタシにとってはですが「無罪モラトリアム」にトドメを刺すんですな。これはもう、どうしようもない。もちろんまったく一般論ではありませんが。
「無罪モラトリアム」を聴いてつくづく思うのは、あれはロックでもJ-POPでもないんですよ。完全に歌謡曲なんですよ。

まだハタチになるかならないかの女性が他動ではなく<自発的に>、好き好んで歌謡曲に向かってるってのが異質も異質で、「ワタシ、歌謡曲、歌いたーい!」みたいな軽い感じじゃなくて、ひと通りの音楽理論がわかった上で、しかもいくつかの楽器を演奏出来るレベルで<自発的に>歌謡曲をやろうとしたんだから、そりゃあ特別な存在になって当然なんですよ。

というかこんな良い意味で青臭い歌詞もない。シド・ヴィシャスやベンジー(浅井健一)の名前をてらいもない盛り込み、いわば「ロックへの憧れを隠さない」少女の姿をロックではなく歌謡曲でやるっつー多重構造が本当にすごい。
でも逆に言えば、サウンドとしてロックに近づけば近づくほど凡庸、は言い過ぎだとしても、複雑が故の魅力が削がれてしまうのも、必然だった。
椎名林檎はだいぶ後で歌謡曲のカバーアルバムを出してたけど、これもつまらなかったな。そういうことじゃないだろうと。これじゃあ、ただのよくある「歌謡曲のロック的解釈じゃん」とね。

それでも椎名林檎は嫌いになれないけどね。容姿で勘違いされるけど、良い意味でこんなに色気のない声は珍しいもん。
ま、オリンピック云々は止めた方がいいとは思うけどさ。







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