一時期「デジタルフォトフレーム」なんてのがありましたが、当時、何だってあんなものが売れているのかわからない、つか本当に売れてるの?みたいなことを書いたことがあります。
最近家電量販店に行けてないのでアレですが、それでも、少なくとも目立つ場所にはデジタルフォトフレームなんてものは置いてないと思う。つまりは完全に売れ線からは外れてしまったということでしょう。
もうね、当時から徒花になるのは確定していたといってもよく、それこそさ、最近もGoogleとかAmazonが「ディスプレイ付きスマートスピーカー=スマートディスプレイ」なんてものを出してきたけど、あれもデジタルフォトフレームの変種だと思う。だからニッチな需要しかないような。
つかさ、据え置き型でないものを据え置き型として発売するからには、よほどのメリットが必要だと思うんですよ。
だってタブレットとかスマホがこれだけ普及して、ではこれらがデジタルフォトフレームの代わりにならないのかというと、なる。もちろん専用機には専用機の良さがあるんだけど、どうもそこが見えない。実際に使ってみると「スマホでも出来るけど専用機ならではの良さがあるな」みたいになる可能性はゼロじゃないけど、買う前の時点ではあまりにもわかりづらいんじゃないかと。
ま、それよりもアタシが気になっているのは、いくらなんでも電子ペーパーの進化が遅いんじゃないかということです。
「もし、カラー電子ペーパーが安価かつ高品質になって、電源挿しっぱなしにしなくても良くなれば、デジタルフォトフレームが生き残る可能性がある」
みたいなことを書いたことがありますが、カラー電子ペーパーなんて話、とんと聞かなくなったね。もちろん開発は続いてるんだろうけど、いまだに民生用としてはほとんど実用化はされていないわけですよね。
モノクロの電子ペーパーだって、相変わらずブラックアウト(ってのか?とにかくページ切り替え時に一瞬画面が真っ暗なるっていうアレ)があるし。Kindleなんかを使い込んでる人からしたら「すごく短くなってる」と言うかもしれないけど、ブラックアウトがあるかないかでいえばあるわけでしょ。
つか電子ペーパーを使った電子書籍閲覧端末に参入しているメーカー自体がぜんぜん増えない。むしろ減ってるってのは、どうなってんだ、やっぱ電子ペーパーってダメなのか、という判断をせざるを得ないのですよ。
これだけ進化が鈍いってのは、技術的な面でも需要的な面でも、あんまりいい見通しがたってないからだとしか思えないんです。
とくに需要面ですよ。タブレットと比べて唯一の利点が「目に優しい」だけじゃあ、如何にもしんどい。
しかも日本の場合、読み放題サービスが充実していることもあって、小説や漫画よりも雑誌が重要視される傾向にあるわけです。
雑誌なんてモノクロで読んでもほとんど意味がない。しかも反応が鈍い電子ペーパー端末では管理も大変だし、だったらすべての面でキビキビ動いて、もちろんカラーで閲覧出来て、安価で、用途も広くて、画面サイズも自由に選べるタブレットの方がいいに決まってる。
目に優しいっていう長所だってバックライトを積んでいないからだけの話で、アタシのように寝る前に電気を消した状態で読むタイプの人間にはむしろデメリットですからね。
フロントライト?
だったら多少目に悪くても
スマホやタブレットで十分だわ
何だかどんどんデジタルフォトフレームから話が逸れていってる気がするけど、そもそも「部屋に写真を飾る」ってのがどういうことなのか、まるでわかってない。
部屋に写真を飾って常時目に入る状態にするってのは、スペシャル中のスペシャルだからなんです。
たしかに部屋にベタベタいろんな写真を貼る人もいるけど、あれはあれでコラージュ的な楽しみ方をしてるんだと思うし。
つまりデジタルフォトフレームの売りである「スライドショー的に一定時間で写真が切り替わる」ってのが「写真を部屋に飾りたがる」層とぜんぜんマッチしていない。
スライドショーが有用なものであるのは当然として、どちらかと言えば「友達や恋人と一緒に旅行の写真を見たいから」って時の方が多いと思うし、となると大画面の方がいいに決まってる。つまりデジタルフォトフレームなんかじゃ小さ過ぎて話にならないんじゃないかと。
だからね、発想を変えてデジタルフォトフレームじゃなくてデジタルポスターの方がまだ可能性がありそうなんですよね。
ポスターサイズならみんなでワイワイとスライドショーを見ることも出来るし、映画ファンなら映画のポスターをね、日替わりで表示してくれたら結構嬉しいと思う。しかも映画のポスターなんて手に入れるのがわりと大変だし、現物も持っててもまず自宅ではスキャン出来ない。となれば画像データ販売なんて商売になりそうじゃん。
アタシだって日替わりでクレージーキャッツの映画のポスターが表示出来るんなら、ちょっと欲しい。「お、今日は「日本一のゴリガン男」か。よし、いっちょう頭の回転が100倍になった気でブワーッといくか!」とか思いそうだもん。
ただこれはもっと技術がいるな。実現出来るのは果たして何年後の話か。ま、明るい先行きとか期待出来るわけがないでしょうが。