超ステマドラマとかどう?
FirstUPDATE2019.3.20
@Scribble #Scribble2019 #バブル #テレビドラマ @戦前 #映画 #その他の街 #施設 #東宝 単ページ NTTパーソナル トレンディドラマ P.C.L. スポンサー付き映画 @音楽喜劇 ほろよひ人生

えと昨年(現注・2018年)でしたか、織田裕二主演ドラマの製作に合わせて、また鈴木保奈美が共演していることもあって「東京ラブストーリー」が地上波で再放送されたようで。

話題になったとか、いやたいして話題にならなかったとか、検索してもどっちだかよくわからないんだけど、どっちにしろ「東京ラブストーリー」ではないにしろ昔のドラマの再放送自体はCSでずっとやってるし、だいぶ店舗は減ったけどTSUTAYAで普通にレンタルもされている。もろちん「東京ラブストーリー」だってね。
ただ、昔の、とくに時代背景が重要な、それこそトレンディドラマを今の目線で見ると、ものすごくモヤモヤするんです。
あ、ストーリー展開だったり、あまりにもダサいファッションにモヤモヤするんじゃないよ。あと「この頃の自分は・・・」なんて考えるわけでもない。

そうじゃなくてね、ああ、そこ、もっとちゃんと映してくれよ!みたいなモヤモヤなんです。
例えば登場人物がファミレスに入るとするじゃないですか。となるとね、何が気になるといっても「この頃ってどんなメニューだったんだ、値段はいくらくらいだったんだろ」みたいなことが異様に気になるんですよ。
コンビニやスーパーなら陳列棚の商品が気になるし、缶ビールで乾杯!なんてシーンでも銘柄が気になる。
「東京ラブストーリー」よりもうちょっと後の、1990年代後半のドラマになるとケータイの機種が気になったりもする。ピッチ、それもNTTだったりすると、とんねるずがやってたCM「♪ みんなを電話にする会社ァ NTTパーソナル~」が頭で鳴り響いたりもするしね。

もちろんすべての商品を<実在>のものにするのは非常に難しい。ひとりがスーパードライ、ひとりがラガーを飲んでるシーンをテレビドラマの枠でやろうとなると当然アサヒとキリンに<おうかがい>を立てなきゃいけないし、ましてや「お前まだラガーなんて古臭いの飲んでるの?」「アホか。ドライなんて喉ごし以外取り柄のない、旨味も何もない似非ビールじゃん」なんてやりとりが挿入出来るわけがない。
でもさ、よくよく考えてみると、こういうシーンに面白みはいらないんだよね。とくに棘のあるユーモアはまったく必要ない。つか「どっちも美味い」で終わっても何の問題もないわけで。

だったらね、さきのビールの例で言うなら、アサヒもキリンも、ついでにサントリーもサッポロもエビスもバドワイザーも全部スポンサーにつけちゃえば?と思う。
スポンサーなんだからラベルを大写しにするだろうし、何なら「このビールの特徴は・・・」なんてセリフにあってもいい。
それってステマじゃね?と思われるかもしれないけど、こういうのはステマとは言わない。だってスポンサーとして名前を出して宣伝してるんだからダイマ、つまりほぼ広告です。
そんなもんフィクションとして成立しないだろ、所詮「ドラマ仕立てのテレビショッピング」にしかならないだろ、と思われるかもしれないけど、そうでもないんです。

東宝映画の前身のひとつにP.C.L.という映画会社があった、なんてことは当ブログで散々書いてきたけど、P.C.L.が東宝との関係を強める前、つまり新興映画会社だった頃は予算がなく、本当なら自主製作は難しかったんです。しかし一作毎にスポンサーをつけるという方法で作品を作っていた。
例えばP.C.L.の第1作「音楽喜劇 ほろよひ人生」は大日本麦酒(アサヒやサッポロの前身)がスポンサーだったので、ビアホール他で大々的にビールを飲むシーンがあるし、第2作「純情の都」なら主人公のひとりが明治製菓の図案(今でいうグラフィックデザイン)を担当している、といった具合です。もちろん劇中に明治製菓のポスターが出てくるわけで。

テレビの黎明期もこんなことは別に珍しくなく、「日真名氏飛び出す」というドラマは三共がスポンサーだったので劇中に栄養ドリンク(時代が時代だからたぶんアンプル)を飲むシーンがあったそうですし、「少年ジェット」ではカレー(スポンサーはS&B)、「まぼろし探偵」ではワンタンメン(スポンサーはエースコック)を食べるシーンが頻繁に挿入されていたと言います。
しかしアタシが思う「超ステマドラマ」(厳密にはステマじゃないけど)はちょっと違う。一番の違いは同業他社が相乗りスポンサーをしているところで、さすがにこれは今まで実例はないはずです。やはり相当難しいんだろうし、メリットも薄いんだとは思う。

それにスポンサーが多ければ多いほどドラマとして作りづらいってのはわかる。つまり面白くなりづらい。そりゃあスポンサー企業全部に気を使わなきゃいけないんだもん。
だからリアルタイムでの作品としての評価は著しく低いものになるのは目に見えている。それはしょうがないっつーか。
でも20年以上経ってから、ならばまったく別の価値が生まれるはずなんですよ。だって20年以上前のね、商品が全部実名で出てくるんですよ。登場人物がコンビニに入ればどんな商品が置いてあるのか完全にわかるんですよ。こんなの面白くないわけがない。

しかもたとえ絶賛気味に取り上げていたとしても、場合によってはその絶賛が壮大な前フリになってる可能性もあるんだから、言うほど宣伝くさくならないと思うし、そもそも20年以上前の商品を宣伝しても、それはもう宣伝でも広告でも何でもないから。
要はね、今を捨てて20年後に投資するって発想なんです。つまりどれだけステマろうが(←こんな言葉あるのか?)ステマにならない。何しろターゲットは20年後の人たちなんだから。

え?それってスポンサーに何のメリットもないんじゃないのって?それを言っちゃあオシメェよォ。







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