映画かオンナか
FirstUPDATE2019.3.15
@Scribble #Scribble2019 #恋バナ #人間関係 #映画 @戦前 単ページ 映画館 うら街の交響楽 狸御殿

生まれてこのかた一度もやったことがないんだけど、デート、それも初デートに近い時点で「映画を観に行く」っていうね。

前提条件として、もちろん自分は相手の女性に好意を持っているわけですよね。けど手も繋げないどころか好意すら伝えられていない。そんなモヤモヤ状態で、よりによってなんで映画に行かなきゃいけないんだと。やりたいやりたくない以前に意味がわからないんですよ。
たぶん「特別なことを喋らなくても時間が埋められる。一緒にいられるし、相手も退屈しない」みたいな感じなんでしょうか。しかしさ、せっかく好意を寄せる女性が側にいるのに、喋りもしないって楽しいの?嬉しいの?って思っちゃう。
ま、そういうのは人それぞれなので否定するこっちゃないんだけどさ。

つかね、あくまでアタシ個人の考え方なのですが、映画なんてのはね、ひとりで観に行くものなんです。これはもう子供の時からずっと一緒で、他のスポットはともかく映画だけは極力ひとりで行った。当然友達と行ったことも皆無じゃないし、付き合いの長い女性とは何度か行ったことはある。アタシは子供はいないけど、子供がいれば子供と行くことも躊躇する理由はありません。

ただし「誰かと一緒に観に行く映画」ってのはものすごく<忖度>が入ってしまうんです。女性となら女性でも楽しめそうな作品を選ぶことになるし、もし子供となら、もちろん子供向けを選ぶことになる。友達とだって、やっぱり個人的趣味を爆発させた作品は選べない。
それがダメだってことじゃないよ。積極的に観たいと思わなかったのに実際観たら面白かったなんてことも結構あるからね。

それでも、やっぱ、映画はひとりで観に行きたい。映画館に行かずとも、部屋でDVDなりで観る場合でも、ひとりの方が望ましいわけで。
作品の選定で忖度の必要がないのはもちろん、観てる最中も、観終わってからも、ひとりじゃないと「浸る」ことが出来ないじゃないですか。つか映画ってのは観ている時間よりも、見終わった後で今観てきた映画を思い出しながら浸る、みたいな時間の方が重要な気がするわけで、誰かと一緒だと絶対んなこと出来ない。

まァ、まだ気の置けない間柄ならば、相手をほっぽって自分だけの世界に入っちゃって、なんて出来るかもしれないけど、初デートみたいなシチュエーションならそんなことが出来るわけがないし、やろうとも思わない。作品として面白かった場合は<浸る>ことが出来ないのがものすごくもどかしいし、出来が悪い場合は今度は空気が悪くなっちゃうし。

何だか煮え切らない書き方をしてきましたが、いやもう、ズバリ書きましょう。
えとね、アタシのように映画は大好きだけど好みの激しい映画好きの人間にとって、<オンナ>は天敵なんですよ。
女性、じゃないよ。オンナ。下卑な言い方をするなら「これから何とかしてオトそうとしている女性」を指します。つまりすでにオトしているカノジョや嫁、あと血縁者は<女性>であっても<オンナ>ではない。わかりますかね。

映画とオンナなら、そんなもんオンナが強いに決まってるんです。さあ、ここがオトしドコロ、と思える局面を迎えれば映画なんか眼中から消える。アタシにとってキャビアと言えるような「うら街の交響楽」(1935年・日活)や「狸御殿」(1939年・新興、「歌ふ狸御殿」(1942年・大映)とは別作品)、あと前に書いた「孫悟空」(1940年・東宝)のパートカラー版が目の前にぶら下がっていたとしても、オトせるかオトせないかの瀬戸際なら確実にオンナを選ぶ自信がある。なんの自信だ。
ま、さすがにそんな究極の二択状態になったことはないけど、それでも「さあ、映画かオンナかどっちか選べ」となって、それでも映画を選ぶ、なんて言う人は、よほど異性に興味がなかったり、極端に性欲の薄い人なんだろうな、と。実際アタシの知り合いでも映画狂レベルの人ってそういうタイプだもん。

そこまで極端な人は例外として話を進めますが、そう考えると映画に興味が薄い人って、学生時代に普通にモテた人なんじゃないか、みたいな推測をしてしまうんです。
映画(というか娯楽)が好きか嫌いかはほとんど学生時代で決まると思ってんだけど、その学生時代に「こっちがその気になってクドけばオトせる」なんて人なら映画に興味が向かないのも無理もない。(女性が勝手に寄ってくるような超絶モテ男の場合はまた別だけど)
ただ、それ以外の普通にモテなかった人が、むしろオンナなんて邪魔な存在になりうる映画という趣味に走るのも当然っつーかね。
てかマジで、モテオーラがある人で映画好きとかいるのかね?少なくともアタシはひとりも知らないや。

どう考えても<映画という趣味>と<オンナ>は両立しない。どれだけ映画に淫していようが、目の前に<オンナ>が現れた瞬間に<映画という趣味>は小休止になるんじゃないかと。
ま、そうなると映画好きは早く結婚して物理的にオンナを遠ざけた方がいいのかもね。







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