そんな予定はまったく、小指の先ほどもないのですが、こういう遊びも面白いんじゃないかと思ってね。ま、初夢企画だと思っていただければ。さすがに初夢云々は遅すぎるけどさ。
基本的には「あんた、バンドもヴォーカルもジャンルも好きにCDアルバムを作っていいよ」と言われたって設定ですが、それでは自慰にしかならないので若干縛りを入れます。
◇ あくまで<音楽>のアルバムである
二枚も三枚も出して良いのなら一枚は喋りだけのCDを作りたいけど、一枚だけなら、そんなの音楽CDにするに決まってる。
ま、喋りだけCDアルバムってのも妄想としては面白そうなのでいつかやりますか。
◇ 最低限の売れ行きを考慮する
アタシは業界関係者でもなんでもないので、具体的に「今こういう<音>がキてる」なんてわからない。ジャンルくらいなら調べればどうとでもなると思うけど、流行りの<音>ってのがね、あるんですよ。昔とはいえ多少音楽をやってたからそれはわかります。
どのみち中途半端な分析しか出来ないのなら、最初から小賢しいことなど考えない方が賢明です。
つまり流行り廃りが理解出来ない状態でやるってことになってしまうのですが、そんな感じで売れ線、ま、はっきり言えば日和った音楽って何なんだというね。
せっかくアタシがプロデュースするんだから、いくら日和ってるからっても特色みたいなものを出さないと意味がない。
と言うわけで「ここだけは譲れない」というところから書いていきます。
・トラックはフルバンド
・女性ヴォーカル
この二点は譲るわけにはいかない。つかこの二点が受け入れられないのであれば断るような案件になってしまう。
もしギリギリ妥協しても良いとするなら、万が一ファッツ・ウォーラーのようなヴォーカルが見つかったら男性ヴォーカルでもいいかな、と思う。ファッツ・ウォーラーはピアニストなんだけど、あのヴォーカルは本当にいい。<歌声>に限定するなら敬愛する植木等より好きなくらいだから。
ジャンルは難しいわ。スウィングジャズ、と言いたいところだけど、これではあまりにも売れ線から外れる。
しかし実は「フルバンド」「女性ヴォーカル」「スウィングジャズ」のすべてを満たし、最低限の売れ線をクリアしたCDアルバムはあるんです。しかも10年以内に発売されたものでね。
それがJUJUの「DELICIOUS」。すでに第三弾まで出てる(加えてライブアルバムも出てる)んだから、それなりには売れているはずです。
これね、正直かなりいいんです。とくにJUJUのヴォーカルがいい。つかフルバンド演奏(も素晴らしい)に負けていない。
JUJUって人はそんなに上手くないんです。でもそこが逆に良い。これはアタシだけかもしれないけど<上手すぎる>歌唱ってアタシはどうも引いてしまう。こっちが感情移入する余地がないっつーか。
その点JUJUのヴォーカルは隙がいっぱいある。だからこそ愛せるわけでして。
だけれども、正直「DELICIOUS」と同じことをしてもしょうがないし、メンツだけ変えて似たようなアルバムを出しても売れないのは間違いないしさ。
こうなったら根本的に発想を変える。売れるかどうかの確証はないけど、ターゲットを絞って、買ってくれた人が損をしたと思わない、みたいなものを目指します。
さてアタシは以前こんなことを書きました。
アタシの考えでは、全員が全員ではない、というか、もしかしたらごく一部かもしれないけど、「文章が読めない」ことにコンプレックを持っている人はいると思っている。(中略)本が苦手だという人向けの本があれば、そこにマーケットがあるんじゃないか。商魂たくましい人なら、ソコに狙いを定めた、文章が読めない人向けの本を企画しても、何ら不思議ではありません(2017年1月8日更新「成りあがり文体」/現注・当該エントリはオミット)
上記エントリにて「それこそが自己啓発本ではないか」と結論付けたのですが、これの音楽版って発想で考えてみたいな、と。
音楽が苦手だとか、そのことにコンプレックスを持ってる人がどれだけいるかと言えば、ほとんどいないとは思うんです。
しかし「音楽なんてハナから興味がない」「昔はよく聴いてたけどめっきり聴かなくなった」「今さら円盤(ディスク)?ストリーミングで十分っしょ」なんて層はかなりいる。んでそこにターゲットを絞るのもアリなんじゃないかとね。
文章が苦手な人でも苦もなく、とまでは言わなくても、読みやすくする手法として「ぱっと見を文字の塊に見せない」というのがあります。改行を増やして行間を広くして、なおかつ文字を大きくする、みたいな。
これと同じことをやってみたらどうかと。
音楽でもクラシックが苦手という人には「音が苦手というよりは曲が長すぎる」って理由もあると思う。
そこでアタシが考えた方法は「収録曲すべてを2分以内にする」というね。これだとCD一枚に80分入るから40曲収録出来るって計算になります。
つまり「聴きやすく、おトク」みたいな。
それに短くてインパクトのある曲を揃えておく方が、いろんな方面で使いやすいと思う。となるとCDの売り上げ以外の収益も見込めるんじゃないかと。
ここまでやって初めて「好き勝手に作っても良い」ということになるんじゃないでしょうか。2分じゃ短いと思うかもしれないけどそんなことないよ。むしろ制限がある方が燃える人も多いと思うしさ。つか日本人はそーゆーのが得意なんだから。