ラッキーゾーンは絶対に、一日も早く付けろ!
FirstUPDATE2018.12.27
@Scribble #Scribble2018 #プロ野球2018年 単ページ 阪神タイガース 甲子園球場 ラッキーゾーン

「甲子園にラッキーゾーンを付けろ!」みたいなことはしつこく書いてますが、シーズンが終わってみてね、もうこれは「なるべく早いうちに」なんて悠長なことを言ってる場合じゃない、一日も早く、いや一分一秒でも早くラッキーゾーンを設置しろ、と言いたいわけで。

ラッキーゾーン、その名称は一種の蔑称であるかのようで、ラッキー=運という言葉からは「グラウンドのサイズの適正化」というニュアンスは一切感じられません。
建立時の甲子園球場は当時の感覚はおろか現在の基準でも常識外れに大きい球場でした。センターが120mというのは普通ですが、両翼が110m、左右中間は何と128mだったんだからハンパではない。あのベーブ・ルースでさえ「いくらなんでも広すぎる」と嘆いたという逸話が残っているくらいです。

これでは<非力な日本人打者>というのを抜きにしても、当時の粗末な用具(とくに品質の悪いボール)では柵越えなど夢の夢のレベルで、今では「零代ミスタータイガース」とも呼ばれる、沢村栄治と幾多の名勝負を繰り広げた景浦將だけがスタンドインをさせられたらしい。
戦後になってボールが劇的に飛ぶようになったにもかかわらず、やはり甲子園では広すぎてホームランが出ない。世を挙げてのホームランブームにもかかわらず、ね。

さすがにこれはマズい、となったのでしょう。1947年に仮設ながらフェンスの手前に柵を設けて、それを越えるとホームラン、つまりはラッキーゾーンが設置されることになります。
1949年からラッキーゾーンは常設になり、やっと甲子園は「広すぎる」球場ではなくなった。それでも広いには違いなかったけど、極端にホームランが出ないなんてことはなくなったわけです。
1985年は伝説に残る打線がチームを牽引して初めて日本シリーズを制したのですが、やはりラッキーゾーンの恩恵があればこそでしょう。

しかし日本一の勢いは続かない。1980年代の終わりになると大幅にチーム力を落とし、最下位が定位置になりつつありました。
そこで、かどうかはわからない。けど1991年をもってラッキーゾーンを撤去した。そして翌1992年は最後の最後まで優勝争いをした、という事実が残った。
これで「ラッキーゾーンがない方がチーム力を維持出来る」と踏んだのは間違いない。ちょうど時を同じくして高校野球でホームランが出過ぎるという問題も表面化していたので、ラッキーゾーン撤去は時流にも合ってはいたんです。

ところがこれ以降、いやはっきり言いますが、阪神の本当の暗黒時代は1990年代後半、つまりラッキーゾーン撤去後のことです。
ラッキーゾーンがなくなって以降、阪神は極度の貧打チームになってしまった。何しろ少々の当たりではスタンドに届かないわけだから、無理にホームランを狙っても数字を落とすだけで何も良いことがない。となると内野が土という特性を活かしたような、とにかく当てにいってゴロを転がす、という今どき高校野球でもやらないような戦法をやり出したわけで。

2000年代に入って阪神は戦力を盛り返します。これは飛ぶボールを使うようになったのが大きい。各選手がね、左打者なら左中間、右打者なら右中間にバンバン打ちまくった。 今思い出しても「え?この打球がこんなに伸びるの?」みたいな感じだったし。
これは打者の能力だけじゃなかったと言い切れる。今(現注・2018年当時)の阪神で能力が高い糸井や福留でもこんな打球は打てないもん。あれは完全にボールの影響でしょう。

それも統一球以降不可能になった。球場は広いわ、ボールは飛ばないわでは、そりゃあ長距離砲なんて生まれるわけがない。飛ばすことに重点を置くと成績が下がる一方になるんだから。
かと言って今更統一球を止めるという選択肢はないはずです。前に「パークファクターによってボールの反発係数を変えろ」と書いたけど、こんなことをNPBがやるとは思えない。
そうなるともう球団自ら何とかするしかない。阪神で言えば、もうラッキーゾーン再設置以外あり得ないのです。

ヤフドがホームランテラスを設けたり、あの千葉マリンでさえテラスを作ってホームランが出やすくしようとしているのに、甲子園だけが完全に時流に逆らっているわけで。
高校野球との絡みというけど、こんなもん金属バットの反発係数を調整すればいいだけじゃないですか。各高校にその費用を負担させるのは大変だけど、甲子園に出場したチームには阪神球団が無償で低反発金属バットをプレゼントすればいい。糸井なんか、それでラッキーゾーンが付くのなら、と喜んで全額出すと言うわ。

つかもういい加減、阪神も高野連にたいして強気に行っていいんじゃないの?昔は下手に強気に出たら朝日新聞や毎日新聞との関係が悪化する、なんて懸念はあっただろうし、全国大会を他の球場に移すぞ、なんて脅されたかもしれない。
だけれどももう甲子園は絶対に揺るぎのないブランドになっている。もし他球場に移そうものなら世間から猛反発を食らうに決まってる。
別に無茶苦茶なことを要求するわけじゃなくて、ラッキーゾーン再設置なんてあまりにも常識の範囲の話です。これくらい通せなくてどうする、と思う。

はっきり言います。ラッキーゾーンが復活しない限り阪神は強くならない。どれだけ頑張ってもAクラス常連が関の山です。となるとこれ以上儲からない。
やろうや。マジで。一刻の猶予もないよ。つか今決断しても来シーズンには余裕で間に合うはずなんだから。







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