ヘコーキ
FirstUPDATE2018.9.9
@Scribble #Scribble2018 #下ネタ #公共交通機関 単ページ 飛行機 放屁 重篤な病気の疑い

何だかとんでもないエントリタイトルですが、内容はもっと酷いです。最初に書いておきますが今回のエントリは、アタシ史上もっとも品性下劣極まった内容です。下ネタ一切NGのケッペキな方はスルーお願いします。

さて、この世に「ヘコーキ」ほど、実態に則した駄洒落もないんではないかと思ってしまいます。
もちろん「飛行機」と「屁こき」の駄洒落ですが、飛行機に乗ると、どうも気圧の関係らしいのですが腹にガスが溜まりやすくなって屁を誘発するらしい。つまり飛行機に乗れば誰でも屁こき上級者になれるっつー。

これ、本当にアタシも一回なったことがあって。
もういつだったかは忘れたけど、とにかくロンドンから東京直行便での話です。
飛行機に乗る直前に肉料理を食べてると屁がより出やすいらしいけど、何を食べたかは憶えていない。つか早朝便だったことはたしかなので、朝から肉料理のような脂っこいものは食べてなかったと思います。

搭乗してから、いや離陸してから、か。とにかく2時間ほど経って機内食を食べた後くらいから、本当に屁が止まらなくなった。もう出るなんてもんじゃない。「ブリッ!ブリッ!ブリッ!ブリッ!(以下、この状態が数時間続く)」って感じで、長い時間、<たゆまなく>出続けるのです。(現注・ま、肛門は<たゆんでる>んだけど)
ただし機内は「ゴーッ!」っていうエンジン音が大きいので放屁音は聞こえない。臭いも、かなり注意深く鼻先に神経を寄せていたけど、おそらくは無臭だった。少なくとも寝てる人が目を覚ますほどの激臭はない。
つまり「屁が止まらない」と理解しているのアタシひとりだけなのです。

しかしね、仮に誰ひとり気づいてなかろうが、一分一秒でも早く屁を止めたい。それくらいの羞恥心は持ち合わせている。いくらアタシでも。
それ以上に早く止めたいと思った理由は「これだけ屁が止まらないなんておかしい。内臓が変調をきたしているのではないか、もしかしたら何らかの重篤な病気にかかったのではないか」と疑いだしたからです。
この頃はまだ「飛行機内では屁が出やすい」という情報を知らなかった。だからメチャクチャ怖かったっつー。

何とか屁を止めたい。方法はないものか。
アタシはひらめいた。そうだ、トイレに行こう、と。便をすれば屁も止まるのではないかと思ったのです。
ところがアタシは何故か、飛行機内では便が出ない体質なんです。この時以外でも一度もしたことがない。あ、もちろん<小>は出るよ。出ないのは<大>の方ね。
意気込んで便座に腰掛けても、出るのは屁だけ。便なんて一粒たりとも出やしない。

普通、屁は便の予兆なわけです。予兆のつもりでガスだけを放出しようとしたら、思いもかけず本丸が軽く飛び出してしまった、なんてことは誰にでもあると思う。アタシのように高貴な人間はそんなことないけど、出先で汚れたパンツを棄ててズボンを直に履く、なんてことをしたのはアタシひとりではないはずです。(←って言っちゃってんぢゃん!)
たしかに直ズボンは悲しい。人間としての尊厳を著しく損ねた気分にもなる。しかし無数の予兆を繰り返しながら、ついぞ本丸が登場しない、ということほど虚しいこともない。例えるならとっくにオチ◯チ◯を放り出しているのに、いつまで経ってもソーニューさせてもらえない時くらい虚しい。

だんだんアタシは諦めの心境に近づいていった。
もうしょうがない。何らかの病気にかかったのだ。日本に着いたら早急に病院に行こう。もしこれで人生が終了することになっても、それも運命ではないか。
アタシはいわば「悟り」をひらいたのです。放屁しながら。つまりコーモンが開きっぱなしの状態が続いたことによって悟りまでひらいてしまったと。

「ブリッ!ブリッ!ブリッ!ブリッ!」

絶え間なく続く放屁。何だか尻の感覚も心地いい。屁が出ること、それは生きてる証ではないか。死んだら屁も出なければ便も出ない。ソーニューさせてもらえない悲しみを味わうこともない。
しかしいくら悲しくても、生きているというのは何と素晴らしいことなのか。きっと日本の地に降り立った時、すべてのものが新鮮に見えるはずだ。
花、太陽、雨。これではPYGの曲になってしまうけど、もしかしたらジュリーもショーケンも、生きていることの素晴らしさを教えてくれようとしてくれたんじゃないか。だからあれだけ激太りしても、禿げ上がっても、何度も何度も逮捕されても、まだ頑張ってるんじゃないのか。

アタシの放屁は着陸の直前まで続いた。そして飛行機が止まった瞬間、見事なくらいあっさり屁も止まったのです。
いったいさっきまでの屁は何だったんだ。アタシは悟りまでひらいてすべてを受け入れたのに。
不思議なことに屁が止まると煩悩もよみがえった。悟り?何それ?そんなもんアタシ如きがひらくわけないじゃん。生きてるのが素晴らしい?生きてるのなんて当たり前じゃん。でも死ぬのが素晴らしくないなんて、その時になってみないとわからない。それも当たり前。

そんなことより、まずは欲望に忠実に行動することだ。今アタシが心から望むこと。そう、アレ。機内ではいくら叶えようとしても叶わなかった欲望。つまり本丸を出す!
その後アタシがトイレの個室に駆け込んだのは言うまでもありません。おしまい。







Copyright © 2003 yabunira. All rights reserved.