音楽の街を作ろう
FirstUPDATE2018.7.8
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我が街の<売り>を音楽にしよう、なんて自治体は結構あると思うのですが、何だかどうも、そうじゃない気がして。

街の売りを音楽にしようとなれば、何らかのイベントを打ちます。んでジャズバンドなんかを呼んできて演奏させる。
けどさ、ああいうのって意味があるのかね。アタシはジャズが好きだけど、言っちゃナンだけどジャズってそんなに求心力がある?と思っちゃう。かと言って、ではロックを、いやいやヒップホップでしょ、とかそういうことでもないんですよ。

そもそも音楽を売りにするというのはどういうことか、これは翻って考えれば、今音楽というものがどういう状況に置かれているかを考えることに他ならないわけで。
正直2018年現在、音楽を聴くことにかんして言えば、良い環境とも悪い環境ともどちらも言えるんですよ。つまりYouTubeなんかのおかげでものすごく気軽にいろんな音楽に接することが出来る時代、とも、逆に音楽を聴く機会が極端に失われた時代、ともね。

アタシはね、有線とかFMラジオを通じて音楽を知ることにたいして肯定的です。
新しい出会いがなければ音楽という趣味はどんどん縮小していく。そりゃ能動的にいろいろ聴きまくったり、調べまくったりしたら新しい出会いもあるんだろうけど、音楽ってそういうもんじゃないようなね。もっともっと偶発的に出会うものだと思うし。
出会い、なんて言葉を使ったからついでに書くけど、自分で探った音楽なんてお見合いとか婚活パーティーみたいなもんなんですよ。それより街で偶然出会った方がドラマチックだし、より盛り上がれる。
けど今はそういうわけにもいかない。某JAS◯ACが目を光らせている。店舗でおちおちFMラジオも流せない。

でも著作権なんてもんがある限り、んでそれがミュージシャンの「食う」手段になっている限り、某JAS◯ACは横暴だなんだといっても始まらない。つか法律の問題が大きいので一朝一夕に変えられるわけがありません。
しかし、例えば客引きと賑やかしを兼ねて、店頭でDJプレイをやろうとしても現状では難しいわけです。もちろん店内でも一緒。

こんなことを繰り返していって、結果は街中から音楽が消えかけている。大手っつーかチェーン店なんかは包括契約をしてるんだろうからフツーに店内BGMを流しているけど、個人経営のカフェなんかではいちいち契約しないといけないし、経営が圧迫されてくると真っ先に切り捨てられるのが音楽だと思う。
これではいくらYouTubeがあっても新しい音楽に出会えるチャンスはなくなると思うわけで。

そこで、もし、音楽を売りにしたいと標榜する街(つまり自治体)が某JAS◯ACと包括契約をしたらどうなんだろ、と。
こんなことが法律的に可能なのか知らないんだけど、もし可能なのであれば、その街の店はものすごく音楽の利用が自由になるわけで、どんな音楽も自由に流せる。店内だけでなく店の外に向けてでも路上でも何でもアリ、になれば、もうそれだけの理由でその街に店舗を構える人が出てくるんじゃないかと。
これね、著作権的なことだけじゃなくて騒音的なことでも面白いと思う。
まァ音楽が嫌いなひとからすれば逆にうるさいだけかもしれないけど、音楽好きの普通の住人にとってもたまらない。何しろ街をウロつくだけであらゆるジャンルの音楽がいたるところから聴こえてくるんだから、これは相当楽しいはずです。

今の世は騒音にたいしての目が厳しすぎで、家の中でさえちょっとでも大きめの音で音楽を流したら文句がくる時代です。
だからこそそんな街が欲しくなる。音楽を大音量でかけても文句を言われない、みたいな。まァ他の人も大音量でかけてるってことになるんだから文句もクソもないんだけどね。
音楽をやる、つまりバンドがなんかを始めるとなって一番難しいのは練習場所が限られているところです。
昔ならば、んで田舎ならば納屋みたいなところで、みたいなことも出来たんだろうけど、今はこんなことさえ出来ない時代です。ましてや都会の人とか本当に練習する場所がない。スタジオ借りろ?そんなカネが稼げるんなら事務所なりレコード会社がスタジオ借りてくれる立場になってるわ。

そんな場所では夜眠れないと思うかもしれんけど、眠りたい人は耳栓をすればいいんです。それくらい徹底的に割り切った街があればなぁと本気で思う。
騒音なんかもろともしないほど音楽を愛する人たちが住んでるんだから、当然住人たちの見る目(聴く耳、か)も肥えてるし、絶対に有用なアドバイスもあるはずです。
そんな街で音楽を本気でやっていきたい人たちが練習したら音楽のレベルも確実に上がると思うし、その街出身の有名ミュージシャンがボロボロ出てきたら、街にステータスみたいなものも出てくる。するとまた音楽を志すものがその街への移住を希望するようになる。良い循環が生まれるっつー。

音楽を<売り>にした街ってのはそういうものですよ。半年に一回くらいたいして有名でないバンドを呼んできて演奏させて、我が街の売りは音楽です!なんてちゃんちゃらおかしい。そういうことじゃない。
著作権も騒音も何も気にしなくていい。好きなだけ音楽が聴けて、好きなだけ楽器の練習出来る。もしそうなればものすごい町興しになると思うんだけどねぇ。







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