ウンザリからの逆転劇
FirstUPDATE2017.12.28
@Scribble #Scribble2017 #プロ野球2017年 #ネガティブ #ポジティブ 単ページ 阪神タイガース 桑原謙太朗 抑えるプラン カットボール 輝き tumblr

アタシは「阪神ファンである前に<プロ野球ファン>」と自認しています。

だから阪神の選手であろうが他球団の選手であろうが、ボロクソに貶すことを良しとしないし、仮にライバル球団の選手か怪我をしても「よっしゃ!」なんて思わない。ましてや選手生命を左右するような大怪我ならなおさらです。
キレイゴト言うなや、と思われるかもしれませんが、プロ野球選手である、という時点ですでにリスペクトの対象なので、どうしてもそうなってしまうんです。

ま、それでも例外というか、腹に据えかねることはあったりはします。
伊藤隼太についてはかなり辛辣に書いてきたけど、これだって「掛布や福留を怒らせた」と言われることがかなり響いている。プロ野球選手というだけでリスペクトはするけど、とくに掛布のようなよりリスペクト度合いの強い選手が相手になれば、まァ、リスペクト度合いの弱い伊藤隼太に矛先が向かってしまうというか。

それにアタシは人間性を否定しないだけで(それは某巨人軍の背番号42にたいしても一緒)、試合で活躍出来ない、且つ伸び代のない選手には辛辣になりがちです。加えて「阪神というチームでの貢献度」が薄いとより顕著になってしまう。
アタシが西岡にたいして比較的寛容なのは、わずか1年とはいえ立派に主力として貢献してくれたからです。また成績を大きく落とす元となったのが試合中の不慮の事故なのもある。
他球団でどれだけ活躍していたかは関係ない。それに本当に実力のある選手は最終的には上げてきますからね。

そんなアタシが「頼むから二度と試合で使うな」と思った選手は今まで3人いる。もちろん阪神の選手で。
ひとり目は、もう誰も覚えてないだろうけど引間って選手です。ま、いつの時代もどこの球団にもひとりはいるような、足だけが取り柄の選手だった。だから登場機会はほぼ代走。
それはいいんだけど、もう「ああ、やっぱり!」と独りごちるレベルで牽制死しまくるんですよ。盗塁死ならまだ許せる。けど牽制死ですからね。せっかくの、終盤の貴重なランナーをみすみすチャラにしてしまうっつー。
ま、腹が立ったのは引間その人よりも起用する監督にたいしてなのですが。

ふたり目は大昔に書いたことがあるけど葛城。よく愛人起用なんて言われたけど、当時は本当に岡田(←当時の監督ね)にケツ差し出したんじゃないかと思ったくらい。
ま、その後大活躍とまではいかないけど、完全な弄られキャラとして活躍したから今はまったく悪感情はないけど。試合に出てもないのにヒーローインタビューに出てきた時は笑ったし。

んで3人目。それが桑原です。
一昨年の序盤、たまに中継ぎで出てきてたけど、もうあまりにもやられるパターンがおんなじで、ほとほと呆れていた。
例の、異様に曲がるスライダーを連投するのですが、まったくストライクゾーンに行かないのはもちろん、打者はピクリともしないから立ってるだけでカウントが悪くなる。
んで苦し紛れに置きにいった力のないストレートを痛打される。もしくはそれを嫌って四球。
つまり打者を抑え込むプランが何も見えない投手に思えたのです。ま、そんな投手とか、使うなと思ってもしょうがないよ。ねぇ?

んで今年です。
今年の桑原について大抵の人が驚いたポイントは、アホほど曲がるスライダーを捨てて、カットボール中心の組み立てにしたことでしょうが、アタシが驚いたのは投げ方がちょっと変わっていたことです。
もともとステップ幅の小さい、いわゆる立ち投げに近いフォームでしたが、今年はさらに小さくなっていた。もうこれは完全に立ち投げと言っていい。

偶然にもさいきん発売された週刊ベースボールで、いつも中程のページに掲載されている分解写真を使った解説で藪さん(←久しぶりにこのブログで名前を書いたw)が桑原のステップ幅について触れていましたが、今年桑原が活躍できたのは「そこ」だと思う。
アタシが懸念した「打者を抑え込むプランが見えない」ってのが解消されたのは、これはやはりカットボールだと思う。あの威力は本当にすごい。
しかしいっときの輝きではなく、シーズンを通して活躍出来たのはフォームの小変更が大きかった気がするのです。

たしかに終盤はあきらかに疲れていましたが、それでもプロ入り以来一度もフルシーズン働いたことがない桑原が、タイトルを獲得するほどフル回転出来た理由は、あの「使い減りしなさそうな、疲れを最小限で抑えられそうなフォーム」にあると思う。
もちろんステップ幅を少なくすることでリリースポイントが安定して、結果コントロールも良くなった、みたいなこともあると思うし。
もしかしたらステップ幅というのは投手にとっては一番重要なことかもしれないな、と。

そういえば福原が一時期絶不調になった時、山本昌からの「ステップ幅が小さくなっている」という助言からステップ幅を広げて復活した、なんてことがありました。
コントロールに悩んでいる投手はステップ幅を小さく、球威不足に悩んでいる投手はステップ幅を大きくすればいいのかもしれないけど、ま、そんな単純な話でもないんだろうね。

桑原の話に戻します。
来年も今年同様桑原が輝けるかどうか、アタシにはわからない。楽天の福山のように息の長い投手になって欲しいけど、桑原の場合は時間をかけて掴んだというよりも「きっかけ」で掴んだって感じだから、油断したらあっという間に元に戻ってしまう可能性もあると思うんです。
だけれども、もし仮に来年以降成績をキープ出来なくても、今年のまばゆいばかりの輝きは忘れることは出来ないでしょう。そしてそれがあるから、これからどれだけ桑原が打たれても応援出来る。

頑張れ桑原!アタシの不安を吹き飛ばしてくれる活躍をして欲しい、本当に心からそう思っています。







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