スチャダラパーという永遠のブレイク寸前
FirstUPDATE2017.12.3
@Scribble #Scribble2017 #テレビ #芸能人 単ページ 加山雄三 スチャダラパー BOSE 歌っていいだろう ポンキッキーズ ナレーション タレント性

あまりにも衝撃的なことがあって、と書くと大仰だけどね。まあテレビ番組の話なんですが、とにかく、ああこれは書かなきゃ、みたいに思ったわけでして。

マジでこんな番組の存在すら知らなかったんだけど、BS朝日で「歌っていいだろう」てのをやってて。(現注・2020年12月より放送休止)
司会は加山雄三。中年層よりさらに上の老年層狙い撃ちの番組ばかりやるBSだから、加山雄三をホストに持ってくるというのは非常に納得出来る。
しかしサブ司会というか名目上は「進行」となってるんだけど、これが何とスチャダラパーのBOSEだという。しかもたまたまアタシが気づいた回のゲストは小野リサ。
これは絶対に見なきゃいけない、と思って録画して見たわけです。

いやぁ、これは本当にすごかった。といっても内容的には別段すごいことは何もないんだけど、とにかく絵面がすごい。
加山雄三、BOSE、小野リサ。この3人が同じフレームに映っていることの、違和感を通り越した「なんじゃこりゃ感」とでも言うのかね。
音楽的にも人脈的にも一切接点がなさそうな、しかも年齢もバラバラ(言うほどBOSEと小野リサのトシは離れてないけど)、フィールドから何から何まで違いすぎる3人がまさか「トーク番組で」共演する日が来るとは。

ま、そうはいっても加山雄三とBOSEの組み合わせはギリギリわかるんです。BOSEは昔の人に対して強くリスペクトする傾向があるから、加山雄三にも一定のリスペクトがあるのは理解出来る。それでも一緒に司会してる(しかもレギュラーで、実はもう2年(現注・2017年当時)もやってるらしい)ってのは相当変だけど。
それにしてもBOSEと小野リサの違和感はすごかったなぁ。推測でしかないけど、おそらく生まれてこのかた、小野リサはスチャダラパーを、BOSEは小野リサを一回もまともに聴いたことがないんじゃないかねぇ。お互い音楽的な参考になりそうもないし、いくら考えても趣味として聴いてるとは到底思えないっつー。

そしてもうひとつ、BOSEに違和感を覚えたのは「今更大御所のサブかよ」と。
こう言っちゃナンだけど、BOSEっつーかスチャダラパーですね、は日本のヒップホップ界で重鎮の位置にいるはずなんですよ。それが「最近の音楽に詳しい若者」のポジションで出演するってのは、どうなんだろうと。言ってもBOSEはもうアラフィフですからね。

アタシはスチャダラパーはメジャーデビューアルバムの「スチャダラ大作戦」のサンプル盤から聴いているのです。だから特別ファンではなかった(そもそもヒップホップ自体あんまり聴かない)とはいえ、彼らの動きはそれなりに見てきているつもりだった。
大昔に某雑誌には「スチャダラパーはザ・フォーククルセダーズの再来」とまでアタシは書いた。音楽的に突き詰めていくのはもちろん、テレビや映画といったメディアすべてを引っ掻き回してくれる存在だと信じていたのです。
ではそうなったかと言うと、なっていない。ことタレントとしての仕事に限るなら、BOSEのキャリアハイはピエール瀧とコンビでやった「ポンキッキーズ」ってことになるんだろうし。

一部のファンよ怒るな。アタシはあくまで「タレント」としての話をしているのです。彼らが音楽シーンでどれほどの役割を担ってきたかは承知して書いているつもりです。
ANIとシンコはともかく、BOSEはタレント性もあったと思うし華も感じた。笑いのセンスも良かったと思う。
だけれども彼らはずっと、大々的にメディアに乗っかりそうで乗っからないポジションを貫いてきた。

アタシは何も「BOSEはもっとタレント活動をするべきだった」と言いたいのではない。タレントじゃなくても、それこそフォークルみたいに音楽的側面からメディアを引っ掻き回すことは可能だったはずなんです。(そういう意味ではまだ電気グルーヴの方がメディアを引っ掻き回している)
だいいちヒップホップにあまり興味のない、ごく普通の人はスチャダラパーのイメージは皆無に等しいんじゃないのって思うし。
え?「今夜はブギーバッグ」?そうかね?
あれだって「今夜はブギーバッグ」といって出てくる名前は小沢健二でしょ。

「ブギーバック?ああ、オザケンのヤツでしょ?え?ラップ?誰がやってたかって?知らない」

正直贔屓目抜きにすれば、こんなもんだと思うし。
まァそれは彼らの意思もあったんだろうから周りがとやかくいうべき問題じゃないのかもしれません。
しかし、まさかBOSEがナレーターの方に行くとは本当に思いもしてなかった。
それもCMとかのナレーション。本当にBOSEの声をよく聴く。ああ、またBOSEだ、みたいな。

CMナレーションの大御所といえば原田伸郎だけど、前に原田伸郎が裏話みたいなのを喋ってて、あれ、ほんの数秒喋るだけでエゲツないギャラになるらしい。
たぶんあれだけCMのナレーションをやってんだから金銭面は潤ったんだろうけど、それがBOSEにとってのメディアとの関わり方になるなんて。どうも、今でも腑に落ちない。
というか、誰が原田伸郎の後釜がBOSEだなんて予想しました?あと誰がサブカルと正反対のところに位置する「あやまんJAPAN」のメンバーと結婚すると思いました?

これだけ何もかも斜め上の方向に行ってることを考えるなら、加山雄三と仲良さそうに司会をやってることなんて、ぜんぜんたいしたことじゃないのかもねぇ。







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