何ともいえない感情が芽生える場所
FirstUPDATE2017.11.24
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こないだ東洋大学白山キャンパス内で開催された「植木等展」に行ってまいりました。ひと言でいえば、うん、行きづらい場所でしたな。

とくに神奈川からは行きづらく、何度もルートをシミュレーションしましたよ、ええ。
で、です。今回はCrazyBeats用のテキストではないので詳しくは書きませんが、展示の中に「植木等ショー」の台本が置いてあったのですが、ああやって並べてみて初めて気がついたけど、音楽は回によって違ったんだな、と。ざっと見たところ宮川泰と萩原哲晶と、あと「服部」の箇所だけ見えた。まさか服部良一?服部克久かなぁ。服部良一氏は「植木等ショー」にゲストで出てるし、あり得ない話じゃあ、ないんだけど。

そういや今年(現注・2017年)の春から夏にかけて早稲田大学で開催された「テレビドラマ博覧会」っても見に行きましたが、東洋大学の「植木等展」といい、どちらもよく資料を集めており、下手なイベントよりはるかに充実していました。つかぶっちゃけいえば、実は大学のヤツの方が面白いんだよね。ちゃんとした博物館や美術館でやるヤツは面白い場合も多いんだけど、デパートとかでやるのとか相当ハズレが多いですから。

さてさて今回は「植木等展」のことや「テレビドラマ博物館」のことを書きたいわけじゃあ、ござんせん。
このふたつのイベントに行くイコールふたつの大学に行ったってことになります。早稲田大学と東洋大学。関西のFラン大学に行ってたアタシからすればどちらも見上げるような大学です。(東洋大はそこまででもないか)

やっぱね、東京の大学生ってのは垢抜けて見えるね。東京云々より時代が違うって方が大きいんだろうけど、言動がスマートに見える。何というか、品があるというか。アタシの大学時代みたいな馬鹿まるだしの学生はひとりもいませんでした。裏で何やってるかは知らないけど。
そんで、もう当たり前のことを思ってしまう。
ああ、コイツら、アタシと30歳近くもトシが違うのか、と。

何度も言うようにアタシは若く見られたいとも、もうすぐ大台を迎えることも、わりとどうでもいいと思っています。いや、かなり本気で。というか、んなことにこだわってる場合じゃないっつーか。もし今のアタシが悠々自適なら年齢とか見た目の若さにこだわるかもしれないけど、それどころじゃないからね。
たとえば普通に街を歩いているだけでも、大学生も高校生もいるわけですが、じゃあ彼らを見て何か思うかというと、何にも思わない。

おー、若いっていいなぁ!とか、このクソガキが!みたいなことすら思わない。つか完全に視界から消えている。まったくどーでもいい存在だからです。
なのに「大学のキャンパス」というエリアで彼らを見ると、本当、どうにも表現し難い感情が芽生えてくる。羨ましいでも嫉妬でもない。けどポジティブな感情でもない。いろんなものが複雑に入り混じった、としかいえない、実にフシギな感情です。

アタシは自分のサイトであんまり大学時代の話を書かないし、死ぬほどダサい時代背景とか苦しい思い出もいっぱいあるけど、それでも人生でトップクラスに楽しかったのは大学時代だと言い切れるし、誰にも負けないくらい大学時代を謳歌した自信もあります。
しかしさ、そんなことを思えば思うほど虚しくなる。いくら大学時代を楽しんだとしても所詮過去の出来事でしかない。今からさらに彩りを加えることも出来ない。もうすべては終わったことです。

だけれども、彼らは違うもん。仮に今現在の時点で楽しくない大学生活だったとしても、現役でいる間はいくらでも取り戻せるもん。
そして何より、彼らは大学生という「輪」に入っているわけです。アタシは永久に入れない。欽ちゃんみたいなことを出来ないわけじゃないけど、それは違うんだよね。やっぱあの年齢だからこそ意味がある。あの年齢であの輪に入ってる。それが何より重要なんですよ。

彼らから見たらアタシはただの冴えないオッサンです。羨望を受ける要素なんかまるでない。
しかし別に羨望なんかいらないんですよ。仮にアタシが誰もが知る功績を成し遂げていようが彼らには負ける。だって、君らにはその年齢と大学生であるっていう「輪」があるじゃん。もうそれだけで、どれだけのことを成し遂げようが勝てるわけがないのです。
負けを認めたくないとかじゃない。しかしわざわざ負けを味わいたくもない。しかし大学のキャンパスに入るだけで、味わわなきゃいけない。
わかります?このジレンマ。

というかさ、早稲田大学にしろ東洋大学にしろ、アタシの琴線に触れる良い企画をやりすぎなんだよね。そんなことされちゃあ、行かざるを得ないでしょうが。
負けは味わいたくないけど、イベントには行きたい。行ったら行ったでまた負けを味わわなきゃいけなくなるとわかっているんだけど、誘惑に負けてしまう。
そう考えると、早稲田大学も東洋大学も、微妙に行きづらい場所にキャンパスがあるってのは、むしろありがたいわ。近隣にあったら近くを通るだけでまったく無意味な敗北感を味わわなきゃいけなくなるし。

不便なのも、良いこともあるという話でして。







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