キャラクターデザインなんかいらない
FirstUPDATE2017.11.21
@Scribble #Scribble2017 #アニメ・漫画 #藤子不二雄 単ページ ドラえもん アニメーカー キャラクターデザイン

「ドラえもん」にアニメーカーというひみつ道具が登場したことがありました。これがあれば原画からセル画、果てはアテレコまで全自動でやってくれるっつーね。

んで原作でどの声優を起用しようという話になって

のび太「なるべく一流の人の声がいいな。小原乃梨子とか」

ドラえもん「大山のぶ代とか」

というセリフが微笑ましい。
この話、ドラえもんがリニューアルされた後にもアニメ化されたらしく、その時はちゃんと「水田わさびとか」になってたらしい。ま、この改変はしょうがないわな。
さてアタシはドラえもんがリニューアルされた時にこんなことを書いています。

白目の入れ方はあちこちでいわれてますし、肝心のドラえもんが似てないのは以前も書きました。(思うに首を絞めすぎなんだよなぁ。つまり首がくびれすぎている)しかしそれより何より、絵そのものが巧くないんじゃないかねぇ。キャラクターデザイン自体は悪くない(ドラえもんを除く)。なのにヘタに見えるのはなんなんでしょうか。線のせいなのかねぇ(2005年4月22日更新「ドラえもん・リニューアル雑感」


記憶で書くのですが、リニューアルにともないキャラクターデザインを担当した渡辺歩は「原作とそっくりの絵でやりたい」と言ってたはずなんだけど、リニューアル前より原作に近づいたのはジャイアンの目くらいで、後はリニューアル前とは別方向で原作とは違う絵になってしまいました。
たしかに藤子・F・不二雄の絵は似せづらいとは思うんですよ。今まで何度も「ドラえもん」以外の作品もアニメ化されてきたけど、一度たりとも「原作そっくり」になったことはありません。
だから「よほど難しいんだろうな」ってのはわかるんです。しかし「原作そっくり」を標榜しておきながら「あの程度」なのは情けない。どうせ無理なのなら余計なこと言わなきゃいいのに、と当時も思ったものです。

いやね、最初にアニメーカーなんてひみつ道具のことを書いたけど、今の時代、完璧にアニメーカーの性能は再現できないとしても、原作をスキャンして、さらにコンピュータで分析させ、3Dモデリング化してね、つまりはコンピュータにキャラクターデザインをさせる、なんて無理なのかね。
これならソフトウェアの出来が良ければ良いほど原作そっくりなキャラクターデザインになるんじゃないかと。

もちろん原作の絵自体「揺れ」があるわけで、「ドラえもん」でいっても1巻と45巻ではぜんぜん別物になってしまう。だから比較的絵柄が安定した20巻以降に絞ってやるとか。
いや、さらに原作を解析して、12分なら12分のアニメを吐き出すことも、将来的には可能なんじゃないか。ま、「ボールに乗って」みたいな極端に短い話を12分にするのは不可能だけど、8ページくらいの話なら原作のテンポのまんまでイケそうな気もするわけでね。

さらに進化させて、原作のストックは少ないものでもアニメ化できるかもしれない。
藤子・F・不二雄なら藤子・F・不二雄の絵や物語構成の癖をコンピュータに学習させて、キャラクターデザインさせたり、「如何にもFっぽい」オリジナルストーリーを作り出すことも可能になるかもしれない。

おかしなことも出来る。たとえば1980年代の絵で「すすめロボケット」をアニメ化するとか、逆に1960年代ぽい絵で「エスパー魔美」をアニメ化するとか。(「オバケのP子日記」になっちゃいそうだけど)
今回は話をわかりやすくするために藤子F限定にしたけど、もちろん藤子Aでも手塚治虫でも良いわけです。
「新宝島」の頃の絵で「ブラックジャック」とか見たくない?アタシは是非見たいよ。
いやもっといえば「Drスランプ」時代の鳥山明タッチで「鉄腕アトム」なんてのも出来るな。こっちは見たいかどうか微妙だけど。

とまあ夢が膨らむことばかり書いてますが、もちろん問題はありますよ。
もしそーゆーのをテレビで放送するとなると、まったくウケなくなる可能性が出てくる。やはり今のアニメは今の子供に向けて作っているわけで、細部に今っぽい「何か」を盛り込んだり削ったりしてるんだろうし、それはそれで尊重すべきです。
しかし、これが特定の場所で流すとか、あくまでメディア化することを前提なら、やっていいんじゃないかね。

「藤子・F・不二雄ミュージアム」ではミュージアムで上映する向けにオリジナルアニメを作ってるみたいだけど、こういう場所で流すなら、下手にアニメオリジナル要素はいらない。原作寄りであればあるほど喜ばれます。
他にはネット配信用とかDVDやBlu-rayで販売する用とかに限定すれば、原作に近い方がいいに決まっている。

いや、何もアニメーカー機能限定版(て名前にしておく)で出来上がったアニメをそのまま使わなくてもいいわけです。叩き台にしてもいいし、大部分をそのまま使って一部だけケレン味のある演出を加えてもいいわけで。
そこまで出来るようになるにはかなり時間がかかると思うけど、キャラクターデザインくらいなら今の技術でも頑張ったら出来そうな気がするんだよなぁ。
さっき「藤子Fの絵は難しい」と書いたけど、コンピュータにやらせるなら藤子Fくらいのシンプルな絵の方が再現力が高そうに思うし。

ま、本当は単に「アタシが死ぬまでに原作そっくりの絵で藤子F作品のアニメを見せろ」って話なだけなんだけどさ。







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