バラエティ番組もワンクール単位に
FirstUPDATE2017.9.27
@Scribble #Scribble2017 #テレビ 単ページ しくじり先生 クール

テレビ朝日で放送されていた「しくじり先生」が終わったみたいで。

これ、深夜でやってた頃からわりと見てて、正直ゴールデンタイムに進出と聞いて「止めておいた方がいいんじゃないかなぁ」と思っていた。そーゆー番組じゃないだろうと。そしたら、ま、案の定というか。
けど、ゴールデンタイムに進出しようがしなかろうが、そんなに長く出来るタイプの番組じゃないのは制作者側もわかっていたと思うんですよ。

毎回、過去に「しくじり」体験した人をゲストに呼んで喋らせるといった体だったけど、しくじってれば何でもいいってことなわけがなく、あくまで他人事として笑っていられるレベルのもの、そして今現在は立ち直っていることが条件になる。つまりガチの犯罪とか、今なお世間から許されていないような人はアウトなわけです。
そりゃ、そんな芸能人(有名人といった方がいいか)など、そこまでいるわけもなく、じきにネタ切れになるのはわかっていたはずです。

企画としては面白いけど、何年もやるような番組じゃない、そんな時は特番で、みたいなケースが多い気がするけど、そうじゃなくてね、何でドラマみたいにあらかじめ放送回数を決めておかないのかな、と思うんですよね。

とんねるずが「みなさんのおかげです」を一時休止して「ラスタとんねるず‘94」を始めたことがありました。これ、今では「みなさん」の製作スタッフの謹慎(直前に事件を起こしていた)ため、止むを得ずつなぎ番組を始めたのが真相だと言われてますが、たしか「ラスタとんねるず」が終わって数年経った頃、石橋貴明が「ラスタとんねるずは復活しないのか?」と聞かれて「本当は「みなさん」(のようなコント番組)と「ラスタ」(のようなサブカルの匂いがするバラエティ番組)を半年交代で交互にやるのが理想」と語っていたはずです。(完全に記憶だけで書いてるし、ソースもヘッタクレもないので、くれぐれも引用は止めてね)

アタシはね、どんな番組でも半年がいいとこ、という、日本テレビの伝説的プロデューサーだった井原髙忠の意見を支持する。
つまりバラエティであろうがドラマであろうが、ニュース番組のような完全にルーティーンワークとして行える番組以外は、半年以上やるとなったら絶対にクオリティを保てないと思うんです。
先の「しくじり先生」だって2クール分、つまり26回分のゲストを最初に決めておいて、無事放送が終了したら問答無用で一度番組を終わらせる。もし好評かつ視聴率的にもめでたいのであれば、期間を空けて第2シーズンをやれば良かった。

ドラマの場合、ケツを決めておかないとあまりにも作りづらいからか、必ず放送回数が決まっている。そして続くのであれば、期間を空けてまた製作する。
これはアメドラの影響と言われているけど、こんなもん日本でもずっと昔からやってたことでね。「ありがとう」とか、今の言い方なら第4シーズンまでやってたし、「渡る世間は鬼ばかり」なんか何シーズンやったかわからないくらい、やってる。
いくら無限に作れそうな一話完結の話でも、このやり方の方がクオリティが上がるのは明白で、それこそ「孤独のグルメ」なんかシーズンで分けてなかったら、とっくに放送できないレベルまでクオリティが落ちていたと思うし。

何でおんなじことがバラエティで出来ないのかなぁと思うんですよ。
理想をいえばドラマと同じく2クールではなく1クール。13回こっきり。「しくじり先生」以外でも、ネタ切れになりそうな番組、たとえば「トリビアの泉」なんかシーズンで分けてたら今でも普通に続いていたはずなんです。

最初から終わりを決めておけば、出演するタレントへのダメージも少なくて済むし、好評なら次がある、となったら希望もあるし、セットも無駄にならない。セコい話をするならDVDにもしやすいしさ。
ま、そうなればそうなったで、今より数倍企画を考えなきゃいけなくなるんだけど、あんだけ単発のバラエティをやってんだから、さらに膨らませて1クール耐えうる企画に煮詰め直して、とか出来るはずなんですね。

もちろん井原髙忠が実際に体験したように、スポンサーというやっかいな敵(って言い切るのは良くないけど)がいるので、簡単にコトが運ぶとは思いません。
井原髙忠も「九ちゃん!」という番組でスポンサーサイドからの要望に抵抗し切れず、結局有能なディレクターをスタッフに加えるという条件で番組を続行しています。
でもさ、民放は難しい問題があるにしろNHKなら可能なんじゃないかと。実際「LIFE!」とか「サラリーマンNEO」なんかシーズン制になってますよね。

これらのコント番組はとくに、無理矢理継続してしまうと如実にクオリティの低下を招くので、良い判断をした編成だと思ったけど、やっぱ、上手くスポンサーと折り合いをつけて、民放でもやるべきじゃないのかなぁ。
テレビがつまらない、ネットやゲーム、ストリーミング配信に太刀打ちできなくなってきている、と言われて久しいですが、今回書いたような1クールもしくは2クールでどんどん新番組を作っていったり、1番組あたりの放送時間を短くしたり、みたいな工夫をやらなきゃ。

大変なのはわかるけど、徐々に衰退するよりよほどマシな気がするのですがね。







Copyright © 2003 yabunira. All rights reserved.