ベローチェへの奇妙な愛着
FirstUPDATE2017.7.12
@Scribble #Scribble2017 #施設 #東京 #リラックス 単ページ ベローチェ カフェ 淀屋橋 空間

そもそもの話になりますが、軽く「ベローチェ」なんて書いちゃったけど、どこまで知名度があるんでしょうかね。

ざっと調べたところ、名古屋に1店、長崎と広島に2店、仙台、関西、福岡に数店、あとは全部関東ですか(現注・2017年当時)。ま、そう考えると関東民以外の知名度はほとんどないってことになるのかもしれません。
たしかに関東民には馴染み深いカフェだけど、他地方の人がわざわざ行くような店ではない。変わったメニューがあるわけじゃないし、オシャレな内装ってこともない。WiFiが飛んでない店舗も多い(現注・現在はほとんどの店舗でWiFiが使える)。ま、良くも悪くもフツーのチェーンのカフェです。
しいていえば安いのが取り柄なくらいで、別にサゲる気はないんだけど、少なくともコーヒーを味わいに行くような場所じゃないっつーか。ま、もっとはっきりいえば、どのドリンクも・・・訴えられたら困るからやめておく。

ただ、もしもうひとつ取り柄を挙げろ、と言われたら、実は個人的に非常に高いポイントがあるのです。
それは「店内がせせこましくない」っていうね。
まァ、だだっ広いってほどじゃないんだけど、テーブルとテーブルの間隔が若干ゆったり目なんですが、ベローチェはそういうところにわりと意識的らしいのです。
ベローチェは本当に便利な場所、わかりやすくいえば駅のすぐ前とかにはあえて出店しないようにしているらしく、駅からは若干歩くけど(といっても徒歩5分以内)、当然駅前よりは賃料が安くなるわけで、その分広い場所を借りて営業しよう、ということらしい。

テーブルの間隔が広い、というのは間違いなく落ち着く理由になるわけで、とくにアタシは喫煙者だからね。もう最近の喫煙席なんか酷いもので、他のチェーンのカフェでは、何だってこんな狭いスペースに押し込められなきゃいけないんだ、みたいなことが多いんですよ。
けどベローチェは喫煙席も、たしかに禁煙席よりは席数は少ないけど、押し込められたような感じはなく、禁煙席と同じくテーブル間隔が広めなのが嬉しい。
アタシはカフェにたいして、コーヒーを飲みに行くところという意識があんまりなくて、あれはショバ代と思ってるからね。しばらくここに居てもいいよ、その代わりショバ代払ってね、ただしサービスでドリンク付けるから、みたいな感じに思ってるんで。
そういう意味でベローチェは「ショバ代払って落ち着く場所」としてはレベルが高いのです。

アタシが初めてベローチェに行ったのは、たしか2002年だったと思う。
当時アタシはサラリーマンでして、その前年(つまり2001年)の年末に神戸から東京支社に転勤になりました。
たぶんアタシが東京に転勤した時点でベローチェっていう店があるのは認識してたとは思うんだけど、実際に通い始めたのは支社が新宿に移転してからでした。

そうは言っても、最初はテイクアウェイ、あ、失敬、テイクアウトでした。とにかくテイクアウト専門で、会社で仕事中に飲む用に買ってただけだった。
ドトールではなくベローチェを利用しだした理由は簡単で、ベローチェの方が会社に近かったこと、そして安かった、それだけです。何しろ最初はチェーン店って意識すらなかったくらいだから。
んで、よく見ると、街のあちこちにある。しかも喫煙席が広い。そんな理由であっという間に「一番お気に入りのカフェのチェーン店」にせり上がりました。

アタシは2003年の秋にこの会社を退職し、一時的に関西に戻ることになるのですが、関西に帰ってみて、もう自分でも意外すぎたんだけど、他には東京のあの店が懐かしいとか一切思わないのに、とにかくやたらベローチェが恋しかった。
ああ、ベローチェに行きたい。しかし当時関西にほとんど店舗がありませんでした。
もし、何とか行けそうな場所があるとするなら、淀屋橋の店舗しかない。そう思ったら居ても立っても居られなくなり、とうとう神戸から「ベローチェに行くため<だけ>」に大阪は淀屋橋くんだりまで出かけて行ったのです。
他の用事なんて、なーんにもない。ただベローチェに行くだけ。アホです。

しかしアタシにとって、それほどまでベローチェは東京の象徴だった。それも良い記憶の象徴。東京であった辛い記憶は1日も早く忘れたかったけど、何故かベローチェだけが「東京の良い記憶」としてフリーズされていたのです。だから一時間もかけて淀屋橋に行くことはなんてことなかった。
ただ、当たり前だけど、いくらベローチェといっても場所は大阪。ぜんぜん東京の良い記憶と結びつかない。必死で「神保町のベローチェで買ったばかりのPDAを」なんて懐かしもうとしても、関西弁にかき消されてしまう。
うーん、やっぱり、東京の、いや東京じゃなくてもいいから、関東のベローチェに行きたい!とね。

それから数年後、実際アタシは関東に引っ越した。以降ずっと関東にいます(現注・後にいろいろ引っ越した)。もちろん近所には待望のベローチェもある。それが嬉しくてたまらない。
何なんだ、ベローチェってそんな素晴らしいのか、と言われても困る。この文章も一見ステマ風だけど、ちゃんと読んでもらえればわかる通り、何しろ「ドリンクの味は・・・」なんて書いてるくらいだからね。飲食で味についてコメントしないステマなんて聞いたことがない。
でもそれでいいのです。願わくばドリンクもフードもこのままでいってほしい。内装も変にオシャレになんかならないでほしい。WiFiもいらない。

とにかく今まで通り、テーブル間隔が広くて、広めの喫煙席がある。それだけで十分です。それさえ変わらなければ、アタシはいつまでもショバ代を払い続けますよ。







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