バカ田大学校歌という超ナンセンス
FirstUPDATE2017.6.20
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ごく稀ですが、東京の早稲田に行くことがあります。早稲田といえば早稲田大学でして、というか東京に馴染みのない方なら「早稲田」という地名があるってのを知らないのかもね。アタシも関西に住んでた頃は知らなかったし。

それはともかく、早稲田大学といえば、もう自然すぎるくらい自然に早稲田大学の校歌が浮かぶ。んで軽く鼻唄なんか歌ってみたりするんだけど、どうしてもちゃんと歌えないんです。
もちろん歌詞をはっきり憶えてないってのもあるけど、もう憶えてるとかという以前で引っかかってしまう。
早稲田大学の校歌といえば

♪ み!や!こ!のせいほォく 早稲田ァの杜に~

です。ここまではOBでも何でもない人も歌える。当然OBでないアタシも歌えるはずなんです。
ところがそうは問屋がおろさない。
もう、何をやっても

♪ み!や!こ!のせいほォく 早稲田ァの「となり」~

になってしまうわけで。
というわけで(どういうわけだ)、今回は「バカ田大学校歌」の話を。
しかしさ、もういっつも不思議なんだけど、いったいこの歌、どこで憶えたんだろ。
レコードテイクみたいなのを聴いたことがないのは当然として、アニメの「天才バカボン」の劇中でパパが歌っていたって記憶もあんまりないんです。いやたぶん歌ったことはあるんだろうけどさ。おそらく例によってバカ田大学の後輩が、みたいな展開で。

でも具体的なシーンとしては何を思い出せない。しかも頭の中でリフレインされるのは雨森雅司じゃない。(雨森雅司は第1作と「元祖天才バカボン」のパパの声ね。余談っつーか今知ったんだけど、「雨森」の読みは「あまもり」でも「あめもり」でもなく「あめ「の」もり」なんですな)
もう見事な男性コーラス。それこそ早稲田大学の校歌みたいな感じっつーか。
うーん、いったい何なんだ。

アタシは何度も「鼻唄とコミックソングは相性が良い」と書いてきました。
それこそアタシが敬愛する植木等の歌だって、元はといえば「鼻唄として歌いやすい」からハマったっていえるくらいで。
しかしさ、いくらコミックソングだからといって鼻唄を歌いながら笑いがこみ上げてくる、なんてあり得ない。たしかに植木等節は直接笑いを誘発するようなモンではないのはたしかだけど、もっと演芸寄りっつーか、例えば嘉門達夫の歌なんかでも別に笑いはしないわけです。今んところ嘉門達夫の歌で鼻唄化してるのはひとつもないけど、「♪ ちゃらりーん!鼻からぎゅーにゅー!」とか歌ったりしても、笑えるわけがありません。
前にトニー谷の「サンタクロース・アイ・アム・橇」はちょっと笑える、と書いたけど、あれだってモノホンを聴いて初めて笑えるだけで、鼻唄なら笑いどころすらありません。自分で犬の鳴き真似してもしょうがないしさ。

そんな中で例外中の例外が「バカ田大学校歌」なのです。
原曲はおろかどんな環境で憶えたのかすらさだかではないこの楽曲のインパクトは最高です。
作詞も赤塚不二夫なのかわからないんだけど、赤塚不二夫特有の毒もなく、ひたすら純ナンセンス。それも果てしなく一発ネタですからね。(現注・作詞が赤塚不二夫というのは間違いないようですね。記憶してなかっただけで漫画の劇中にもちゃんと出てきます)

「天才バカボン」はアタシもアニメはもちろん漫画もほぼすべて読んだけど、もしかしたらギャグとして一番面白いのはコレなんじゃないか。
等身大漫画などの前衛的なヤツが「笑い」としては弱いのは当然として、毒気の強いヤツから、峻烈なナンセンスまでいろんなギャグが入ってるのが「天才バカボン」ですが、「早稲田ァのとなり~」には敵わないですよ。
誰にでもわかる、しかも替え歌というわけでも駄洒落でもない。日本人なら老若男女すべてがわかるナンセンスで、ここまで可笑しいのは驚異的です。
いや、鼻唄で、もう何回歌ったかわからないくらい歌ったのに、まだ可笑しいなんて尋常じゃないですよ。

最初に「たまに早稲田に行くことがある」とは書いたけど、残念ながら一度も早稲田大学には行ったことがありません。
しかし、もし行くことになったら、もう確実に、早稲田大学本体には目もくれず、もちろん鳥谷敬のことなんか思い出すこともなく、いったい早稲田の「となり」に何があるか、気になってしょうがないと思う。
当たり前だけどバカ田大学はないでしょう。もしかしたらシャレでバカ田大学を名乗ってる店があるかもしれないけど、本物の「大学」でなければ意味がない。
というか文部省、いや今は文部科学省か。早稲田大学のとなりに学舎を作ることを条件に「バカ田大学」を認可しろよ。それくらいのシャレっ気を持って欲しいわ。
そうなれば、関西でオカシナ奴がいたら「吉本行け」と言われてるみたいに、関東でオカシナ奴は「バカ田大学行け」ってなるんだから。

本当はもっと短文にする予定だったのに、結局いつもと変わらん長さになってしまった。まァいいか。







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