超絶男前
FirstUPDATE2017.5.30
@Scribble #Scribble2017 #顔 #芸能人 #ダウンタウン 単ページ 谷隼人 沢村一樹 古い友人

かなり昔の話ですが、ダウンタウンがまだ大阪ローカル芸人だった頃ですから以前書いた「4時ですよーだ」だったかな。いや違うな。番組名は忘れた。

とにかく「一番男前だと思う芸能人は?」みたいな設問に松本が「谷隼人」と答えていて、ひっくり返って笑った記憶があります。
いやいや、この答えは今思い出しても完璧で、たしかに谷隼人ってメチャクチャ男前なんですよ。でもあんまり、というかまったく世間で谷隼人=男前という認識がない。まさに隙というか目線をズラした笑いを得意としていた松本の面目躍如の解答ですよね。

谷隼人もそうなんだけど、嫁さんの松岡きっこも相当美人で、実はこれほどの美男美女夫婦もいないと思う。でも谷隼人同様、松岡きっこもそこまで美人のイメージがないというか。
そういや、以前っていってもかなり前だけど「楠田枝里子って実は絶世の美女なんじゃないか」というネタを書いたことがあります。しかしこれまたぜんぜん美女のイメージがない。
美女判定はかなり「声」のウエイトが高いっつーか、松岡きっこも楠田枝里子も、いわゆる美人声じゃないんです。
じゃ谷隼人は?というと、結構二枚目声なんですよ。ま、軽いっちゃ軽いんだけど。
今回はそんな谷隼人よろしく「実は超絶男前なのに、あんまり男前と言われない」有名人を挙げていこうかと。ま、ますだおかだの岡田は省きます。以前書いたからね。

まずは谷隼人と同年代の柴俊夫。この人もあんまり男前扱いされてないね。
「シルバー仮面」の主演で名を挙げ、その後も数々のドラマに出演してましたが、ま、アタシが見てたドラマがたまたまそうだっただけかもしれないけど、どうも役どころが完璧な二枚目ではなく「コミカルなサブキャラ」みたいなのが多くてね。
しかもこれも谷隼人同様、顔立ちは男前には違いないんだけど、古臭い、といって悪ければかなり濃いタイプなんで、時代にもそぐわなかったというか。

濃い顔すぎて、となると黒沢年雄なんかも当てはまりますね。
もう邦画界が純二枚目を必要としない時代に入りかけた頃にデビューしたためか、わりとデビュー間もない頃の「サラリーマン悪党術」ですでに三枚目的な役をやっており、その後も「時には娼婦のように」でやや揺り戻したものの、主演したヒットシリーズドラマ「ハングマン」は役柄としては二枚目なものの、ドラマのテイストがコメディ要素を多分に含んでいたので、これもどうも「黒沢年雄=カッコいい」とイメージを植え付けるまでには至らなかった。
もうその後になると、変な帽子を被ったバラエティタレントのイメージが強くなりすぎて、ね。

今やってる朝ドラ「ひよっこ」に出演している沢村一樹もあんまり男前感がない人で、ある時期からエロキャラにシフトチェンジしましたが、その前から二枚目をやると、どうも存在感が薄くなるタイプでした。
二枚目感のないクールな官僚役とか、「ひよっこ」のように市井の人を演じるといい感じなのに、二枚目だとハマらない、という個性は面白い。
もうひとり、この人は二枚目として売れるだろ、と思っていて、どうもハマらなかった人で思い出すのが大浦龍宇一です。
長身で整った顔立ち。たぶん実生活ではモテまくったであろうにもかかわらず、この人も沢村一樹と同じく二枚目をやると影が薄くなってしまうっつー。

ここで突然思い出話になります。
今から20年以上前の話ですが、大浦龍宇一によく似た友人がいました。
彼も大浦龍宇一同様長身で、もちろん顔をイケてる。イケてる、なんて今時言わないけど(現注・イケてる、という言い方はしなくなったのに何故か「イケメン」は生き残ってるな)、まァ時代が時代なんでこうしておきます。
しかも彼、性格も非常にいい。明るいし、人を気遣える性格なんだけど、サラッとしてるから逆に周りに気を遣わせることもない。
ま、男のアタシから見ても、こんなヤツが実在するのか、みたいな感じで。再会してみたいけど、当時はSNSはおろかネットもろくろくない時代だったからね。お互い遠方に引っ越してからは完全に音信不通になってしまいました。

もちろん彼もモテてた。これでモテない方がどうかしてる。見た目的にも完璧なんだから当たり前なんだけど、彼と女性の取り合いをしなくて本当に良かった。勝てるわけがないもん。
知り合った当時は彼は大学生だったけど、卒業して就職してから一度だけ会ったことがありました。
実は今だからいうけど、みたいな感じで、大学4年の時に、かなりしつこく「モデルをやらないか」と誘われた、というのです。
モデルに勧誘されたこと自体にはまったく驚かない。当時の彼よりイケてないモデルとかいっぱいいるし、むしろ当然、という感じです。
しかし彼は悩んだ末、結局普通に就職した。たしかかなりお堅い会社だったと記憶しています。
その時彼が言った言葉が忘れられない。

「オレも(モデルを)やりたかったかと言われたら、やりたかったんですよ。でも、やれなかった。大学まで出て、堅実な道を捨てることが、どうしてもできなかった。オレには○○さん(←アタシのこと)みたいな生き方ができなかった。○○さんみたいな生き方ができればいいとずっと思ってたけど、オレにはできなかったんです」

ま、当時のアタシは音楽をやっており、デビューを目指していろいろ(つーかフラフラ)やってた頃なので、そう言われるのもわかるのですが、正直この言葉は堪えた。
何というか、初めて彼がアタシにどんな気持ちで接しているかを理解した。あんまり真面目な話とかしなかったし、遊ぶといってもワンルームの狭い浴槽に男三人で無理矢理入ってはしゃいだり、そんな馬鹿なことしかしなかったんだけど、アタシが彼にたいして「コイツには男として到底敵わない」みたいな感情を持っていたように、彼はアタシにたいして「自分が持ってないものを持っている存在」として見てくれてたんだ、と。

しかしさ、今だから思うけど、モデルになんかならなくてよかったよ。当時は「もったいない」と言ったけど、あんまり売れなかったんじゃないか。なんというか、ナマで接してあれだけ完璧なら逆に売れないような気がする。
誰とは言わないけど、ナマで人気グラビアアイドルを見たことがあるけど、自慢の爆乳もナマ(といってももちろん着衣ですよ)で見ると、何だかすごくアンバランスに見えたし。
芸能人って、ちょっとアンバランスな方が売れるんだろうな。男前「すぎ」たり、美女「すぎ」たりしたら、むしろダメなんじゃないか。いやダメってことはないんだろうけど、二枚目として美女として売れることはないんじゃないだろうかと。

そう考えれば当時の彼の決断は正解です。今どうしてるかぜんぜん知らないし、もう自慢の容姿もかなり「衰えた」だろうけど、きっと中身も伴った彼ならね、良い人生を歩いてるような気がするわけで。







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