大晦日と「北の宿から」
FirstUPDATE2017.3.19
@Scribble #Scribble2017 #大晦日 #1970年代 #音楽 単ページ 都はるみ 太田裕美 レコード大賞 石川さゆり 北の宿から

こないだ、えと今年(現注・2017年)の2月かな、にオリコンの一位の曲を1968年からだったか、順に紹介していくって番組をやってて。

もちろん全部じゃないですよ。抜粋。抜粋でも4時間もかけてやってたんだけどね。ま、大半はどうでもよい内容でしたが、ひとつだけ猛烈に懐かしいシーンがあって。
それが1976年のレコード大賞の映像。いやぁ、これ、記憶力の悪いアタシにしてはリアルタイムで見てたのをはっきり憶えている。まだ当時は、大晦日といえばレコード大賞を見て、紅白に切り替えるってのがスタンダード中のスタンダードだったし。

まだ小学二年生だったからね。当然家族揃って見てた。こたつに足を入れてさ、おそらくみかんなんかを頬張りながら、大晦日という特別な日を堪能していたんですね。
んで、この時のレコード大賞で大賞を受賞したのが「北の宿から」だったんです。
昨今はレコード大賞の価値がとやかく言われる時代ですが、この当時はそんなことはなく、レコード大賞大賞受賞曲=この年にもっとも人気があった曲って素直に思えた時代でしたから。

♪ あなた変わりはないですかぁ
 日毎寒さがつのりまァすゥ~

ま、冬の特別な日に聴く曲としてはこれほどふさわしい曲もない。歌詞はまったく特別感のある内容じゃないけど。
歌ったのは都はるみ。別に都はるみには何の思い入れもないけど、今調べたら当時まだ28歳!当時はアタシは子供だから、えらいオバちゃんに思ってたけど、今のアタシより20歳も若かったとは。
この頃アタシが可愛いと思ってた芸能人は太田裕美だったんだけど、これも今調べたら都はるみと7つしか違わない。ま、28歳と21歳ならそこそこ差があるのは当たり前ですが、それにしても太田裕美には新人感(若いおねーさん感)が、都はるみにはすでに強いベテラン感(オバちゃん感)があったのも間違いないと思うんですね。
それは先のオリコンの番組でも感じたことだし。(ま、芸歴を考慮すれば当然だけど)

さて、言うまでもありませんが「北の宿から」はバリバリの演歌です。
ここはもしかしたら一番ジェネレーションギャップがあるところかもしれないけど、当時は演歌と歌謡曲の境が曖昧で、少なくとも聴く側はさほど区別せずに聴いていたのです。
そういえば翌年のレコード大賞にて「津軽海峡冬景色」で歌唱賞を受賞した石川さゆりも、最初はアイドル歌手だったんですねよ。

♪ 上野発の夜行列車降りた時からァ
 青森駅は雪の中ァ~

石川さゆりは当時から美人だったけど、アイドル時代は何だか桜田淳子を暗く地味にしたみたいな雰囲気で、実際顔立ちも桜田淳子に良く似ており、衣装も桜田淳子に寄せてた。
ま、だから、アイドルを捨てて演歌に転向したのかもしれませんが、とはいえ、演歌を歌ったことには別に違和感はなかった。つか「アイドル歌謡も演歌も別段変わらない」って感じだったし。

たぶん1985~86年あたりから、もう演歌は独特のものになっていたはずです。歌謡曲も演歌も一緒、とする人はほとんどいなくなってたはずだし、聴く人も分かれていたように思う。
ちょうどこの頃、おニャン子クラブの城之内早苗が「アイドル演歌」なるものでソロデビューしたのですが、いくら城之内早苗に演歌志向があったとはいえ、これはギャップを狙ったものだと思う。
余談だけど、城之内早苗のおニャン子時代のデビュー曲「あじさい橋」は演歌として売り出されたけど、これはまったく演歌じゃないよね。何つーか、普通のアイドル歌謡を強引に演歌アレンジしたって感じ。いやそもそもたいして演歌アレンジでもないし。和テイストが入ってるだけの話で。

時代をずいぶん進めてしまいましたが、もう一度1976年の話に戻します。
この時代にはまだ「大晦日は家族揃ってこたつに入って、レコード大賞を見て、年越し蕎麦を食べながら紅白を見て、除夜の鐘はNHK版「ゆく年くる年」で、途中から民放共同制作の「ゆく年くる年」に切り替える」みたいな、いわゆる昭和30年代的光景が健在でした。

今の若い人に説明がいると思われるのが「民放共同制作のゆく年くる年」でしょう。
1988年まで、民放各局が持ち回りで「ゆく年くる年」を制作し、それを全民放で流していたのです。つまりチャンネルを「4」に合わせようが「6」に合わせようが、まったく同じ番組が流れているのです。
ただ局によって微妙に色合いが違うのが面白く、チャンネルをガチャガチャやりながら、ここのチャンネルは色が濃い、とか、ここは何となく画面が暗い、みたいな違いを楽しんでいたんです。
「チャンネルをガチャガチャ」って書いたけど、まだこの当時はリモコンはなかったからね。文字通りテレビの脇についてるロータリースイッチをガチャガチャしてチャンネルを変えていた時代です。

何だか「北の宿から」の話よりも1976年の大晦日の話ばっかりになっちゃったけど、アタシにとって「北の宿から」は「昔懐かしい大晦日の象徴」なんです。
だから今でも「北の宿から」を聴くと、あの頃の大晦日を思い出すし、大晦日が近づくと鼻唄で「北の宿から」を歌ってしまう。
ま、シチュエーションじゃなくて、365日のうちの特定の日だけ出てくる鼻唄ってのも、いいんじゃないスかね。

大晦日の話をカットして演歌の話を大幅に膨らませたエントリをココに置いてますので、是非。




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